東京成徳大学が目指すスタイルを体現する、シューターの須田理恵「足りない部分があれば自分が補いたい」

東京成徳大学が目指すスタイルを体現する、シューターの須田理恵「足りない部分があれば自分が補いたい」

2020/12/28 07:30
須田理恵

シューターの枠にとらわれないマルチな活躍

東京成徳大学は準決勝で札幌山の手を96-92で下し、11年ぶりとなるウインターカップ決勝進出を決めた。

成徳の絶対的なシューター須田理恵は、第1クォーター途中に相手の肘が入り、あご付近から出血するアクシデントに見舞われ、交代を余儀なくされた。それでも、チームはベンチメンバーが奮起し須田の穴を埋めると、応急処置を終えてコートに戻った須田もすぐさまシュートを沈める。ケガの影響を感じさせず、前半で7得点2アシストを記録した須田の活躍もあり、チームは57-51とリードして前半を終えた。

後半も成徳は一人に得点が偏るのではなくバランスの良い攻めでリードを拡大。終盤に札幌山の手の猛反撃を受けるも、逆転を許さずに逃げ切った。

準々決勝の成徳は須田とキャプテンの山田葵、センターの古谷早紀がフル出場するなど、6人でローテーションを回していた。しかし、この試合では序盤から積極的にベンチメンバーを起用。チームの絶対的司令塔である山田がベンチに下がった際には、シューターである須田を起点にオフェンスを組み立てた。最終的に須田はチーム最長となる32分強の出場で、2本の3ポイントシュート成功を含む14得点5アシスト3スティールを記録し、勝利の立役者となった。

成徳の遠香周平コーチは「繋ぎじゃなくて、出た選手が全員仕事をする。みんなが何でも仕事をするというのが目標だった」と、チーム作りの方針を語った。選手はそれぞれに持ち味がある。オールラウンドにすべてをこなせるに越したことはないが、発展途上の高校生の場合、自分の強みを最大限に発揮できる役割を与えらえることが多い。

須田はシューターではあるが、この試合ではシューターよりもプレーメーカーとしての活躍が目立った。須田は言う。「どのポジションでもマルチにプレーできるように練習はしてきました。今はシューターですけど、誰かが抜けて足りない部分があれば自分が補いたいと思っていて、それが今日はできました」

須田理恵

数字が表す須田のオールラウンド性

準々決勝の安城学園戦で劇的なブザービーターを決めた佐坂光咲は、準決勝までの5試合で37本中19本(51.4%)の3ポイントシュートを成功させており、今やチームNo.1のシューターとなっている。須田はその地位を後輩に奪われている状況だが、むしろ佐坂の成長を喜んでいる。

「もちろん打つことは自分の役目でもあるんですけど、佐坂がこの大会はすごく調子が良いので、私が攻めて佐坂に決めてもらうのも成徳の一つの形だと思っています」

自分にマークが寄ることを逆手に取り、ドライブからズレを作って佐坂がノーマークになるシーンは多々見られた。須田がシュートにこだわらないことが佐坂のシュート力を生かしているとも言える。実際、須田は山田の32アシストに次ぐチームで2番目に多い28アシストを記録している。さらに言えば、リバウンドでもセンターの古谷早紀、泥臭い仕事を請け負う青野美玖に次ぐ34リバウンドと、シューターという枠にとらわれない活躍を見せている。

遠香コーチが「別にオフェンシブにしようとしたわけじゃなかったけど、結果的にそうなった」と言うように、須田のようなオールラウンダーがいるからこそ、ハイテンポで攻撃力の高いチームが出来上がった。

今日の決勝では『女王』桜花学園と相対する。須田はチームのスタイルを「とにかく走ること。積極的にディフェンスして、中を攻めて外にパスを出して、3ポイントを攻めるバスケットです」と語る。これが体現できれば、高さのミスマッチを覆し、頂点に立てるかもしれない。

そのためには「勝っても負けても最後の試合なので、自分のできることを精一杯やって、成徳のバスケをたくさんの人に見てもらいたい」と意気込む、須田のオールラウンドな活躍が必要不可欠だ。

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