ティム・ダンカン

次期ヘッドコーチの可能性は消滅、支える立場に

昨年夏にスパーズのアシスタントコーチに就任したティム・ダンカンは、1年限りでその役職から離れることを決めた。

1997年のドラフト全体1位でスパーズから指名されたダンカンは、19シーズンで1072勝438敗という圧倒的な勝率を残し、5度の優勝をチームにもたらした、スパーズ史上最高のレジェンドだ。2016年に現役引退を決断、ともに黄金期を支えたマヌ・ジノビリ、トニー・パーカーも引退し、チームは新たなサイクルを築く時期にある。

スパーズを率いるグレッグ・ポポビッチはまだまだ情熱に溢れているが71歳と高齢で、ファンはもちろんチーム内部でも「いずれはダンカンがヘッドコーチに」との思いがあったに違いない。もともと寡黙なダンカンはアシスタントコーチに就任した時も会見は行わず、今回もコメントは出していない。ポポビッチが指揮を執れなかった試合でヘッドコーチ代行を務めた際は会見に応じたが、「この仕事はポップの仕事」と、ヘッドコーチとしての道を進む考えがないことを、彼らしく表現している。

ただ、スパーズとダンカンの繋がりが切れてしまうわけではない。『THE SPUN』はフルタイムのコーチ業からは離れるが、ダンカンは外部コーチの役割に戻り、引き続きチームの練習施設に顔を出しては選手たちにアドバイスを送ると伝えている。

ダンカンは『バブル』にはやって来なかった。プレーオフ進出を巡る重要な場面でチームと行動をともにしなかった時点で、フルタイムのコーチ業を続けるつもりはなかったのだろう。しかし、彼はスパーズを見捨てたわけではない。スパーズの練習施設に残り、肩を手術したラマーカス・オルドリッジのトレーニングをサポートしていた。

今シーズンで22年連続のプレーオフ進出が途切れたスパーズにとって、ベンチにダンカンの姿がないのは心細いかもしれない。ただ、チームを引っ張る役割からは退いたが、下支えする立場であり続ける。選手育成もまた、スパーズ復活には欠かせない要素だ。そこでダンカンは力を発揮してくれるに違いない。