「トランプへの投票は、アメリカ建国からの理念に反する」
アメリカ大統領選挙まで1週間を切り、現職のドナルド・トランプ陣営、対立候補のジョー・バイデン陣営は最後の追い込み段階に入った。各界の著名人と同様にNBAの選手やコーチも、大統領選に向け国民に投票に行くよう訴える活動を続けている。以前から反トランプを主張しているウォリアーズ指揮官のスティーブ・カーとセブンティシクサーズ指揮官のドック・リバースは、バイデン候補の支持を表明した。
カーとリバースは、トランプ大統領不支持を表明している団体『The Lincoln Project』による投票を呼びかける動画に出演した。
「ドナルド・トランプへの投票は、アメリカ建国時からの理念に反する。我々の民主主義が危うい状況に陥っている。皆さん、鏡をよく見て決断してもらいたい。彼女(自由の女神)は守るべき存在なのかどうかということを」
「我々は自分たちの立場を理解している。私たちは一致団結している。自由のため、大切なものを守るため、勇気を持って戦おう。私たちは、ジョー・バイデンを支持する」
カーは以前、トランプを「大統領として不適格」と糾弾。リバースは人種差別への反対、社会正義の実現を訴える『Black Lives Matter』の活動が盛んになった今夏、クリッパーズを率いていたプレーオフ期間中の会見で怒りを顕にし、こう嘆いた。
「拘束され、撃たれ、殺されているのは我々だ。なぜ恐れなければならないのか。我々はこの国を愛しているのに、なぜこの国は我々を愛してくれないのか。この状況を変えなければならないが、抗議デモがあれば暴動と見なされるし、何かあれば銃を持った警官が派遣される。政府は警官の力を抑制すべきだ。すべての警官が悪いわけじゃないのは分かっている。私の父は警官だったからだ。私は悲しい。なぜこれだけ頻繁に自分の肌の色のことを思い知らされなければならないのか」
NBAスーパースターのレブロン・ジェームズは、黒人の投票を呼びかける非営利団体『More Than A Vote』を設立し、前大統領のバラク・オバマとともに、国民に投票に参加するよう訴えている。
トランプが大統領に就任して以降、NBA優勝チームはそれまで慣例だったホワイトハウスへの表敬訪問を行わなくなった。これは、就任以降アメリカの分断を図っていると非難されているトランプ不支持を如実に表す行動だ。
カーとリバースの直接的な行動、レブロンによる間接的な行動が選挙戦の行方にどういう影響を与えるのか、投票結果が出るのを待ちたい。