「大事なのはこれを続けていくこと」
10月24日、琉球ゴールデンキングスは島根スサノオマジックに84-71で勝利し、連勝を6に伸ばした。勝利の原動力となったのはシーズンハイの22得点を挙げた今村佳太だった。
今オフ、今村は新潟アルビレックスBBから補強の目玉として琉球に加入。開幕から先発として起用されていたが、この試合の前まで3ポイントシュートは18本中2本成功と低調で、思うような結果を残せず。本人も「個人としてはチームの勝利に貢献できているのか自信を持って言える内容でなかったです。悩みましたし、いろいろなことを考えました」と語る厳しい時期が続いた。しかし、この試合では3ポイントシュート7本中5本成功と次々と沈め、ここまで1桁得点が続いたのから一転、20得点オーバーの大暴れだった。
ようやくの本領発揮に今村はこう語る。「ここまでの試合ではシュートタッチに苦しむ時間が長く、自分としてもうまく吹っ切ることができませんでした。今日は味方がオープンパスをくれ、それを決め切ることができたので自信にもなりました。ただ、大事なのはこれを続けていくこと。現状に満足せず、一喜一憂せずにいきたいです」
ちなみに今村は、この試合で今シーズン初めて先発を外れている。ただ、藤田弘輝ヘッドコーチは、それはパフォーマンスが特に理由ではなかったと明かす。「スタメンを外れたのは相手のラインアップにあわせて牧(隼利)を起用しただけで、プレータイムは変わらないと試合前にも話していました」
そして指揮官は、「ずっと苦しんでいましたが、彼はすごく頑張る選手です。練習もたくさんしてきたのを見てきたので、今日みたいにゲームで形にできたのは彼のためにうれしいです」と笑顔を見せた。
外国籍選手とのマッチアップ「受け身にならない」
この日の今村は、島根の新戦力ペリン・ビュフォードに対する激しいディフェンスでも仕事を果たした。この対外国籍選手も、自分の役割として強く意識するところだ。「今の外国籍のルールだと、自分たちのフォワードのポジションにも外国籍の選手も多いです。そこはフィジカルに身体を使って守る。試合の入りからマークにつくことは予想していたので、自分からしっかり身体を当てて、受け身にならないことを意識していました」
期待の新戦力としてチームに加わり、開幕8試合目にして今シーズン初の2桁得点となれば少しはホッとしたくなるもの。ただ、今村にそういった気持ちはない。悩んだ時期で得たものをしっかり糧にすることを意識する。「今まで悩んできたことが、こういう吹っ切れた試合に繋がりました。今日はこのような結果になりましたが、また苦しむ時もある。この経験を次に繋げたいと思います」
そして今村は続ける。「ここが自分の最高点ではない。もっとできる部分はたくさんありますし、さらに上のステージに行きたい。現状に満足せずにやっていきたいです」
重戦車ジャック・クーリーに加え、ドウェイン・エバンスの合流で琉球のインサイドアタックは充実している。だからこそ、ここでよりアウトサイドから効果的に決めることができれば、琉球のオフェンスは大きな破壊力を持つ。そのためには今村のステップアップが欠かせない。
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