現役続行か引退かで揺れるポール・ピアース、その決断を待つ恩師

2016/07/30
NBA&海外
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写真=Getty Images

「彼が引退するのなら、その場所はセルティックスであるべきだ」

コービー・ブライアント、ティム・ダンカンというNBAを支えたレジェンドがコートを去った2016年夏、彼ら2人と同世代でNBA18年のキャリアを持つポール・ピアースは今、現役を続けるか引退するかを検討している最中だ。

もし現役続行という決断を下せば、昨シーズンに続いて、恩師ドック・リバースがヘッドコーチを務めるクリッパーズでプレーすることになるだろう。そのリバースは『The Vertical』のポッドキャスト番組に出演した際、愛弟子ピアースが引退を決めた時の対応についてこう答えている。

「もしポールが引退すると決めたら、ボストンに彼と1日限定の契約を結んでもらい、セルティックスの選手として引退させてあげたい。彼が引退するのなら、その場所はセルティックスであるべきだ。我々はそう考えている。彼がどういう決断を下すかは分からないがね」

ピアースとセルティックスは、奇妙な縁で繋がっている。名門カンザス大のスター選手として活躍したピアースは、1998年のドラフト上位指名候補だった。にもかかわらず、指名されたのは1巡目10位。しかもそのチームは、ロサンゼルス出身のピアースが幼い頃から大好きなレイカーズにとって憎きライバル、セルティックスだった。

それでも気持ちを切り替えセルティックスでNBAデビューの夢を叶えると、15年目まで在籍。勝てないチームを支える時期が長かったが、2008年にはリバースの指揮の下、ケビン・ガーネット、レイ・アレンとのビッグ3でチームを優勝に導き、ピアースはファイナルMVPにも輝いた。

二人三脚で苦楽をともにしてきたリバースとピアース。

2013年にはガーネットとともにネッツにトレードされたが、昨年夏、恩師からのラブコールに応える形でクリッパーズと契約。ピアースはクリッパーズと3年契約を結んだため、あと2年契約が残っている。今のところ現役か引退かの可能性は五分五分だが、もし続けるにしても来シーズンが最後になるだろう。

リバースはピアースの胸中について、「きっと今は考えが行ったり来たりの状態なのだろう。彼には時間をあげたい」と語った。

「チームからすれば、8週間前には答えを聞きたかったところだが、ポールは去就について考える時間を与えられるべき選手の一人だと思っている」

功労者の引退に華を添える1日限定契約は、NBAに限らずMLBなどでも頻繁に見られる対応だ。2003年から6年間ニューヨークの名門ヤンキースで活躍した松井秀喜も、2013年にヤンキースと1日限定の契約を結び、ヤンキースタジアムで引退セレモニーが執り行われた。

先日は、アマレ・スタッダマイアーが同様にニックスと1日限定契約を締結し、ニックスの選手として現役引退を表明している。

セルティックスのレジェンドであるピアースにも、当然その資格はある。ボストンの熱狂的なファンも、フランチャイズプレーヤーとして時代を築いたピアースを、セルティックスの選手として送り出したいと思うはずだ。

もちろん、新シーズンも現役としてプレーする可能性はある。リバースは、愛弟子にとって相応しい花道を用意する意思を明確に示し、その決断を待っている。

名勝負を繰り広げたレイカーズのコービー・ブライアントが引退。ピアースもキャリアの幕引きを考える段階に来ている。