マブンガは31得点、富山は5勝1敗と好スタートを切る
富山グラウジーズと三遠ネオフェニックスの第2戦。前日の初戦、三遠は前半を終えた時点で17-46と圧倒され、54-81で敗れていた。指揮官のブラニスラフ・ヴィチェンティッチは合流できたが、外国籍選手はいまだ不在。短期契約の助っ人、ジージオ・ベインとアンドレ・マレーはチームを離れて、日本人選手のみ9人では戦力的に厳しいと言わざるを得ない。
一夜明けての第2戦、戦力の不利を埋めるべく立ち上がりからコートに立つ5人が、フィジカルなディフェンスで富山のオフェンスを遂行させない。攻めに転じれば川嶋勇人と太田敦也のピック&ロールを多用し、空いた選手が仕掛けるバランスの良い攻めを展開。太田が相手のディフェンスが警戒していないミドルジャンパーを沈める得点もあり、開始4分で9-9と食らい付いた。
しかし、ボールのないところでも激しく当たっていく強度の高いディフェンスに笛が鳴り、チームファウルが5に到達したことでペースを緩めざるを得なくなった。これを突いてジュリアン・マブンガが4本連続でフリースローを沈め、3ポイントシュートを射抜く。三遠はこれをオフェンスで取り戻そうとペースを上げるが、この無理がミスに繋がり、ターンオーバーから速攻を許すことに。第1クォーターが終わってみれば9-28と大差を付けられていた。
第2クォーターに入ると強度の高いディフェンスを再開。高さのミスマッチを簡単に作り出せる富山の攻めが少々雑になったこともあり、このクォーターは拮抗する。太田の粘り強いディフェンス、北原秀明の思い切りの良いアタックは目立ったが、マブンガからリチャード・ソロモンへの豪快なアリウープ・ダンクに代表される『個』での打開でも選手層でも富山が上。後半に入り時間が進むにつれて富山に押し込まれていった。
抜け目のないプレーを見せたのはマブンガだ。大量リードがある状況で、あえて難しい合わせのパスを送ったり、ディープスリーを狙ったりとオフェンスでは余裕を見せ付ける一方で、ディフェンスでのハードワークは怠ることなく、太田のダイブをケアしてイージーシュートのチャンスを作らせなかった。
こうして後半にギアを上げた富山は第3クォーターを27-10と圧倒。最終クォーターは主力を休ませながらも難なく乗り切り、91-57で勝利した。マブンガは後半に8分半しかプレーしなかったが、ゲームハイの31得点を記録。宇都直輝はコントロール優先のプレーで9得点9アシストを記録した。これで富山は5勝1敗と開幕ダッシュに成功している。
一方の三遠は第1戦より内容が向上したとは言え開幕6連敗となり、試合終盤にはソロモンの強引なアタックを止めに行った太田が激しい接触を受け、プレーを続けられなくなったのも心配だ。今回も苦しいシーズンの立ち上がりとなってしまった。