ブレイブウォリアーズ

スモールラインナップが機能し、主導権を握った信州

宇都宮ブレックスvs信州ブレイブウォリアーズの第2戦。大敗した前日と同じチームとは思えないパフォーマンスを見せ、第3クォーターまでリードした信州だったが、ガス欠に陥った終盤にインサイドを立て続けに破られ、74-84で敗北した。

ピック&ロールで外国籍選手のマークを剥がし、ジョシュ・ホーキンソンがミスマッチとなるシチュエーションを作り出したことで、信州が試合の主導権を握った。ピック&ロール、インサイドアウトを繰り返し、流れの中から放つ3ポイントシュートがよく決まった。

第1戦では5-21とオフェンスリバウンドを支配されたが、しっかりとボックスアウトを遂行しリバウンド争いでジェフ・ギブスのオフェンスファウルを誘発するなど、高い集中力を持ってインサイドを守った。

また、188cmの栗原ルイスを4番に置く、スモールラインナップが大いに機能した。素早いローテーションに加え、チームルールに則ったダブルチームを織り交ぜたことで宇都宮のオフェンスを停滞させた。

シンプルに高さの不利を突かれ失点を許す場面もあったが、4本の3ポイントシュートを含む、ゲームハイの24得点を挙げた西山達哉が流れを渡さなかった。西山は鋭いドライブで宇都宮ディフェンスを切り裂き、タフなレイアップをことごとく成功させた。さらにマークが自分に集中していることを察知すれば、ペイントエリアに飛び込むホーキンソンへキラーパスを通し、こちらもゲームハイとなる9アシストを記録した。

ディフェンスが機能し、西山の活躍も相まって、信州が63-56とリードして最終クォーターを迎えた。

信州ブレイブウォリアーズ

「ガス欠になって崩れるまでは非常に良くできていた」

最終クォーター開始30秒、テーブス海の速攻を阻止しようとした西山がアンスポーツマン・ライク・ファウルをコールされ流れが変わる。テーブスがフリースローを2本沈め、このファウルで得たポゼッションでギブスがフリースローを獲得し一気に3点差まで迫られると、その2分後に遠藤祐亮に3ポイントシュートを許して逆転された。

ここで踏みとどまりたかったが、フル出場のホーキンソンを含めた3選手が36分以上の出場となった信州はガス欠に陥った。ここまでタフにインサイドを守っていたが、足の踏ん張りがきかなくなり、ライアン・ロシターに連続でバスケット・カウントを許す。ホーキンソンがジョシュ・スコットを守り、日本人選手がロシターにマッチアップするところを狙われた。こうしてロシターに最終クォーターだけで12得点を許し、11-28と失速した信州は逆転負けを喫した。

敗れはしたが、指揮官の勝久マイケルは「ハートを見せてタフに戦っていた。今できることをやろうとしていた」と、チームの姿勢を高く評価した。「オフェンスのターンオーバーと、ディフェンスはガス欠とメンタルのミス。最後に持っていかれたのは悔しいですが、昨日の試合とは違っていた。こういう試合は次の成長に繋がる。最後ガス欠になって崩れるまでは非常に良くできていた」

秋田戦に続き第2戦で見事な修正力を見せたが、勝久ヘッドコーチはやるべきことをやったまでと言う。「遂行力やエナジーなどコントロールできることを激しく徹底することを目指しています。マイナーなアジャストはしますが、昨日やるべきことを今日やっただけです」

一方、宇都宮の安齋竜三ヘッドコーチは「マイク(勝久ヘッドコーチ)の戦術もそうですし、選手たちの遂行力も高いと思いました」と相手を称賛しつつも、苦しみながらも勝ち切れたことを収穫に挙げた。「苦しい試合でしたし、そこで勝つか負けるかで全然違います。勝ち切れるように選手が頑張ってくれたのが一番の収穫です」

フルメンバーが揃わない中で宇都宮をあと一歩のところまで追いつめた信州。初勝利を挙げる日はそう遠くないはずだ。

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