ニック・メイヨは30得点13リバウンドと大暴れ
京都ハンナリーズとの開幕節に連勝した富山グラウジーズ。ホーム開幕戦に良い勢いを持ち込んだはずが、レバンガ北海道に思わぬ完敗を喫することとなった。
北海道の新外国籍選手、ジョーダン・テイラーが大活躍したのだが、チームに合流したばかりで特にディフェンスのチームルールをまだ理解できていないとあってベンチからのスタートに。それでもポイントガードで先発した橋本竜馬が前からのプレッシャーディフェンスで激しさの基準を作ると、葛原大智と中野司もそれに続く。第1クォーターから6つのターンオーバーを誘発し、そこから速い攻めに転じて主導権を握った。
テイラーはまだチームメートとの連携ができておらず、コンディションも上がっていない様子で、彼がコートに立つとプレッシャーディフェンスの強度が一段階落ちたが、オフェンス面では魅力的なアクセントとなった。トップスピードに乗らなくても接触を苦にせず、強引にペイントエリアに侵入しては正確なシュートを決めていく。日本人のポイントガードでは相当フィジカルが強いはずの宇都直輝が相手でも、簡単にゴール下まで押し込んだ。この試合での活躍の場は限定されたものの、17分出場で17得点3アシスト。ここから調子を上げていけばどれだけのパフォーマンスを見せてくれるのか、楽しみなデビュー戦となった。
北海道は激しいプレッシャーをかける分だけファウルもかさむのだが、ベンチに入る11選手全員がプレータイムを得て、ファウルもシェアしていく。こうしてプレッシャーディフェンスの強度を試合を通じて落とさず、富山のオフェンスに圧力を掛け続けた。
ディフェンスでの思い切りの良いプレーはオフェンスにも波及する。テイラーが得点を量産するだけでなく葛原や中野も思い切ったアタックを見せる。またニック・メイヨはインサイドで身体を張り、外国籍選手がジュリアン・マブンガしかおらずスモールラインナップの富山を苦しめるだけでなく、ミドルレンジからのジャンプシュートも確率良く決めてリードを作った。
第3クォーターの最後に桜井良太がファウルアウトとなるが、北海道がリードを守って終盤へ。橋本竜馬もファウルアウトとなり、前田悟の思い切りの良いアタックで富山が盛り返す時間帯もあったが、こういう勝負どころでチームを落ち着かせることのできるジャワッド・ウィリアムズの存在もあり、北海道は最後まで崩れなかった。残り1分半、チームが攻めあぐんでクロックがないところで中野が3ポイントシュートをねじ込み、続いてマブンガのアタックを止めての多嶋朝飛の速攻は決まらなかったが、ここでメイヨがフォローして押し込む。この連続得点で91-80と富山を突き放し、勝負を決めた。
最終スコアは94-82。富山は外国籍選手がまだマブンガしかいない不利を抱えているものの、それ以上に北海道の激しさが目立つ、収穫の多い試合だった。それでも宮永雄太ヘッドコーチは「本来やりたいバスケットではなかった。明日はディフェンスを修正してしっかりやりたい」と気を引き締める。
ニック・メイヨは開幕節の20得点、23得点に続いて、この試合では30得点と大活躍。リバウンドも13で、得点もリバウンドもキャリアハイの数字となった。走れる206cmはインサイドでの合わせのプレーだけでなく、3ポイントシュート3本成功も含めてミドルレンジと長距離のシュートも確率良く決めて、またオフェンスリバウンドでも富山を苦しめた。テイラーとの2メンゲームは相当強力なはず。今後の連係の成熟が待たれる。