アルバルク東京

第2クォーターを6点に封じた強固な守備

10月2日、アルバルク東京と川崎ブレイブサンダースが先出し開幕戦で激突。前半の川崎の得点を22点に抑えるなど、インテンシティが高く、統率されたディフェンスを軸にアレックス・カークと安藤誓哉が要所を締めたA東京が85-79で勝利した。

A東京の先発は安藤、田中大貴、菊地祥平、竹内譲次、カークの5人。川崎は篠山竜青、辻直人、パブロ・アギラール、ジョーダン・ヒース、ニック・ファジーカスでスタートした。

A東京の指揮官、ルカ・パヴィチェヴィッチが「出だしから賢くハードにディフェンスすることができ、ファジーカス選手、ポイントガード陣も抑えることができた。ビッグマンを3人置いてくる相手に対しても簡単にスコアさせなかった。オフェンスの強い川崎を前半で20点台に抑えることができたことが大きな勝因となった」と語ったように、ディフェンスが機能したことでA東京が主導権を握った。

素早いローテーションでズレを作らせず、竹内やザック・バランスキーが外国籍選手を相手に1対1で守り切り、3秒バイオレーションを誘発。インサイドを強調しようとする川崎に対し、簡単にボールを入れさせないことでオフェンスの停滞を呼んだ。オフェンスではカークがオフェンスリバウンドからのセカンドチャンスポイント、ノーマークのシュートを確実に決め、安藤の崩しから田中が3ポイントシュートを射抜く。そして、安藤がビッグマンとの1on1から3ポイントシュートを成功させるなど、ここ一番のシュートを確実に沈めていった。第2クォーターの失点をわずか6に抑えるなど、攻守が噛み合ったA東京はリードを拡大していき、58-44で第3クォーターを終えた。

アルバルク東京

辻「すべての歯車が合わずにリズムに乗れなかったのが前半」

最終クォーター序盤、川崎は藤井祐眞が連続でシュートを決め、点差を1桁に戻す。ファウルトラブルによってプレータイムが制限されていた藤井が縦への推進力を見せたことでオフェンスが活性化したが、その藤井が開始1分を過ぎた場面で個人4つ目のファウルを犯してしまう。追いつくには藤井の突破力が求められ、川崎は残り6分42秒で藤井をコートに戻して勝負をかけたが、A東京の主力が立ちはだかった。

カークのセカンドチャンスポイントや田中の速攻、竹内のミドルシュートなど、A東京はここ一番でダメージの大きい得点を重ねてリードを保つ。そして残り37秒、マティアス・カルファニとの1対1のシチュエーションに持ち込んだ安藤がステップバックの3ポイントシュートを沈め、82-72としたところで勝負アリとなった。

敗れた川崎の佐藤賢次ヘッドコーチが「アドバンテージがある分、狙い過ぎてしまった」と語ったように、『オン3』を長く使いながらも、そこで違いを生めなかったことでオフェンスが重くなった。辻も「自分たちがやってきたバスケットをできずシュートも入らない。審判のジャッジにアジャストもできなく、すべての歯車が合わずにリズムに乗れなかったのが前半。そのままズルズルいってしまった」と、オフェンスが停滞した前半を悔いた。

A東京はカークが24得点10リバウンドのダブル・ダブルを記録し、安藤が18得点6アシスト、竹内が13得点2スティール、田中が12得点3アシストと、主力がしっかりと活躍。最後まであきらめない川崎に点差を詰められるも、点差以上に力の差を見せつけ、ディフェンディングチャンピオンらしい姿を見せた開幕戦となった。