レイカーズを10年ぶりのファイナル進出へと導いた、指揮官フランク・ボーゲルとレブロン・ジェームズの絆

レイカーズを10年ぶりのファイナル進出へと導いた、指揮官フランク・ボーゲルとレブロン・ジェームズの絆

2020/09/30
フランク・ボーゲル

レブロンに感謝「我々が成功できたのは彼のおかげ」

NBAファイナルへと駒を進めたレイカーズは、ヒートとの対戦でも優位にあると見られている。ナゲッツとのシリーズで本調子でなかったアンソニー・デイビスのコンディションは気がかりだが、それを十分カバーできるほどレブロン・ジェームズは絶好調で、消耗せずにここまで勝ち上がってきた。この2人を支えるサポートキャストも、勝ち続ける中で自信を強めている。

だが、昨シーズンのこのチームは、レブロンを擁しても勝率5割に満たず、プレーオフ行きを逃した。デイビスの加入など『今すぐに優勝する』ためのロスター変更が功を奏したことは間違いないが、持てる戦力をフルに活用してチームを再生に導いた指揮官、フランク・ボーゲルの存在なくして、今のレイカーズはない。

彼の最大の功績は、今のNBAで最高のタレントであるレブロンを最も良い形でチームに組み込んだことだ。多くのヘッドコーチは『レブロンのいるチームで勝つには』というテーマに対し、そのオフェンス力を最大限に引き出すことを考えるだろう。勝負どころはレブロンのアイソレーションに託し、ディフェンスと3ポイントシュートを得意とする選手で脇を固める。だが『戦術レブロン』は、キャバリアーズ時代に限界を露呈した戦い方だ。

ボーゲルはディフェンスをベースとする自らの戦術にレブロンを組み込んだ。1対1の強さ、カバーに戻っての強力なブロックショットというレブロンのディフェンス力を生かし、どのエリアでも相手にプレッシャーを掛けてシュートを落とさせる。ライブターンオーバーを誘っては、またリバウンドを確実に押さえては速い攻めに持ち込み、数的優位を作った上でレブロンのオフェンス能力を用いる。このやり方はレブロンの負担を減らすとともに、脇役たちのゲームに関与する意識を高く保った。さらにはアンソニー・デイビスが「レブロンの責任を自分が負担する」という気概でシーズンを通して持ち続けているだけに、レブロンも精神的に前向きにプレーできている。

ただ、これが上手く行っているのも、ヘッドコーチのボーゲルと、指揮官以上にコート上の指揮官として存在感の強いレブロンの間に信頼関係が成り立っているからこそ。ボーゲルはナゲッツを破った後の会見で、「彼は今シーズンのチーム戦術プランに同意し、選手全員が納得できるよう助けてくれた。我々が成功できたのは彼のおかげだ」と、このことにあらためて触れている。

ボーゲルのレブロンに対する称賛は止まらない。「1人の選手が試合を支配するのを間近で見たことはなかった。第4クォーターの彼は驚異的なパフォーマンスを見せた。ディフェンスで相手のエースを抑え、チームにとって大きな得点を決めたんだ」

レブロンはヒート、キャバリアーズに続き異なる3チームでのファイナル進出。そして西カンファレンスを制したのは初となる。その一方でボーゲルにとってはアシスタントコーチ時代も含めて初めて経験するNBAファイナルだ。

「レブロンにとっては慣れたものだろうが、私にとっては初めての舞台だ。毎年30チームがこの場所を目指して戦うが、たった2チームしかたどり着けない。だから、これは当たり前のことじゃない。このチームは特別なグループであり、私は幸運にもその一員になれた。史上最高の選手であるレブロンとAD(デイビス)とともに、レイカーズで仕事をすることができてうれしい」とボーゲルは言う。

レイカーズにとっては10年ぶりのNBAファイナルだ。そのことを質問されたボーゲルは、ファンへの思いをこう語った。「本当はステイプルズ・センターでファイナル進出をレイカーネーションと一緒に喜びたかった。しばらくファイナルに進出できていなかったが、このチームに相応しい場所に戻って来ることができて、ファンは誇りに思ってくれていると思う」

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