「ここでいかに結果を残すことが難しいかは経験してきました」
今シーズンの千葉ジェッツはセバスチャン・サイズを筆頭に赤穂雷太、佐藤卓磨と強力な戦力を加えて、頂点を目指すことになった。2シーズン続けて副キャプテンを務めることになった田口成浩もこうした新戦力を頼もしく感じている。
「フレッシュで走れる選手が入ってきた。しかも大きいので、ディフェンスも積極的にスイッチできるし、その中で速い展開も生まれる。本当にプラスになるような選手が入ってきたと感じています」
こうした選手の加入でチーム力は確実に増すことになるが、それはチーム内競争の激化を意味する。実際田口を含めて6人の選手が2番、3番のポジションを争うことになる。田口も「そういう意味ではしんどい」と、プレータイム確保の戦いが待ち受けることを理解している。
田口は2シーズン前に千葉に加入した。それまで秋田ノーザンハピネッツの顔として長年活躍していただけに、彼の千葉への移籍は少なからず驚きを与えた。秋田では中心選手としての地位を確立していた田口だったが、当時の千葉には石井講祐が在籍し、彼のバックアップ的な立ち位置だった。そして、迎えた開幕戦では出場機会を与えられずに悔し涙を流したこともあった。田口は「ここでいかに結果を残すことが難しいかは経験してきました。その中で僕も3年目ですから。これからやるべきことは分かっているので大丈夫です」と、頼もしい言葉を発した。
「『俺はシュートの専門職だぞ』と常に心に持っています。僕は唯一のピュアシューターですから。僕も30歳で、メンタルの切り替えとかも若手よりは経験しています。3ポイントシュートを決めていかないと説得力ないですから、馬鹿にされないようにやっていきます」
新型コロナウイルスの影響でオフは自宅でトレーニングをしつつ、外出自粛が明け体育館が使えない時は公園や駐車場でもトレーニングをしていたという。そのため、体育館で練習できるようになった際には、当たり前のことに感謝が生まれた。「まず率直に外よりいいなって思いました。下がでこぼこしてないし、ボールが擦れていくのも嫌でした。バッシュの『キュッキュッ』って音も噛みしめましたし、普通に体育館で練習できるありがたみを感じました」
こうしたトレーニングの甲斐もあり、好調をキープしているという田口は「3ポイントシュートの規定本数に達した上で、3ポイント王を目指しています。確率が良ければ、それだけチームに貢献しているということですし、ケガをしないでチームに貢献し続けることを常に掲げています」と意気込んだ。
そしてファンに対しては「昨シーズンが不完全燃焼だった分、今シーズンに懸ける思いが伝わればと思いながらプレーします。それが伝わったら拍手をしてほしい」と、後押しをお願いした。
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