ルカ・ドンチッチ

写真=Getty Images

デニス・スミスJr.と強力バックコートを結成へ

NBA挑戦か、それともリーガACBに戻るか。その決断が注目された欧州の逸材ことルカ・ドンチッチは、2018-19シーズンからマーベリックスでプレーすることが確実となった

6月21日にブルックリンのバークレイズ・センターで開催されたNBAドラフトで、ドンチッチはホークスから全体3位で指名されるも、ドラフト当日のトレードによりマブスへ。マブスは全体5位で指名したオクラホマ大学出身のトレイ・ヤングの交渉権と将来的なドラフト1巡目指名権と交換で、ドンチッチの交渉権を獲得した。

両チームのトレードは、ドンチッチがホークスから指名される前に公になっていたため、ドンチッチは指名直後のインタビューでマブス加入について言及し、「彼らとは以前から連絡を取り合っていた」と明かした。

ドラフト前の時点では、ドンチッチがNBAでポイントガードでの起用を希望しているという噂もあったため、昨年のドラフトで同ポジションの選手を指名したキングス、マブスらから指名された場合はレアル・マドリーに戻るのではないかとも言われていた。しかしドンチッチはトレードについて聞かれても「驚きはしなかった」と話している。

また、バックコートでコンビを組むようになるデニス・スミスJr.についても「彼は素晴らしいポイントガード」と称賛。マブス加入についても「このチームに加われてうれしい」とも語った。

スミスJr.もドンチッチもプレーメーカーだが、タイプが異なる。すでに欧州のチームタイトル、個人タイトルをほぼ総ナメにしているドンチッチの経験値は大きく、サイズも200cm103kgとガードとしては大柄。スミスJr.は191cm88kgながらフィジカルと爆発力に優れるタイプで、2人が噛み合えば、西カンファレンス屈指のバックコート・デュオに化けると期待できる。

またマブスは、欧州出身NBA選手のパイオニアの一人、ダーク・ノビツキーのチームだ。ドンチッチのメンターとしての役割を担うと見られるノビツキーは、マブスが同選手の交渉権を獲得した後、加入を歓迎する書き込みをTwitterに投稿。ドンチッチもノビツキーについて「多くの成功を成し遂げたレジェンドで、全員にとってお手本となる存在」と話し、リスペクトの念を示している。

フィジカルが求められるNBAでのプレーについても、ドンチッチ本人は冷静に自己分析し、次のように語った。「自然に対応できると思う。15歳からプロの世界でプレーしているし、ユーロリーグのスター選手や元NBA選手と対戦してきた。チームにもNBA経験者がいて、彼らからNBAについてはと聞いている。準備はできている」

マブスにとっては、ノビツキーが現役の間に次代のエース候補ドンチッチを獲得できたことに意味がある。ノビツキーは少なくとも現在の契約を満了する来シーズン終了までは現役を続ける意向で、心身ともに健康な状態を維持できれば、さらに数年プレーを続ける可能性もある。いずれにしてもドンチッチにバトンを渡してコートを去る、という理想的な流れができた。

ノビツキーの後任としても期待されるドンチッチが、アメリカでの1年目からセンセーションを起こせるかどうか。来シーズンの開幕が楽しみでならない。