富樫勇樹

「何か見せられたら、何か伝えられれば」の思いでプレー

9月19日、千葉ジェッツは新潟アルビレックスBBとプレシーズンゲームを行い、96-76で勝利した。

新潟のホームゲームではあるがアオーレ長岡ではなく新発田市での開催。この町の出身で、新発田市スポーツ大使を務める富樫勇樹の『凱旋試合』と銘打たれた試合となった。

過去2シーズンは新潟での試合が組まれておらず、富樫にとって新潟でプレーするのは2017年12月以来のこと。さらに地元の新発田での試合は本人曰く「7年ぶり」だそうだ。新型コロナウイルス感染防止の意味で観客数が制限される中でも、地元の子供たちが招待された会場で、富樫は髪をセットする『本気モード』。先発出場で持ち前のスピードを生かしてチームを引っ張り、勝利に貢献した。

家族や友人の前でプレーすることは「あまり気にしなかった」という富樫だが、会場の新発田カルチャーセンターは「小学校中学校の地区大会だったり、かなりここで試合をしてきたので懐かしい思いがあり、プロ選手としてここに戻って試合ができたのはうれしいです」と懐かしさを噛みしめながらのプレーとなった。

地元の子供たちに自分のプレーを見せたい、という思いも強い。「千葉ジェッツでプレーしていると、千葉まで見に来ることはなかなかできないと思います。新潟でプレーすることもこの2年はなかったので、そういう意味でも新潟の子供たちに見てもらえたのは良かったです。間近で見れば見るほど『ホントに小さいんだ』と多分思われているんでしょうけど(笑)、それでもやれているんだ、と伝えられたらと思います」

観客はマスク着用、応援の声も出せない。「それでも僕を見に来てくれている感じはすごく伝わりました。何か見せられたら、何か伝えられればという思いでプレーしました」と富樫は言う。

今日も新発田カルチャーセンターで試合が行われ、今日は市内のミニバスチームの選手を対象に、富樫のクリニックも行われる。普段から「子供たちに何かを伝えたい」と強い思いを持ってプレーする富樫にとって、地元での試合は感慨深いものになり、シーズン開幕に向けて新たなモチベーションを得られる機会となりそうだ。