レバンガ北海道3年目を迎える中野司、開幕に向けて「全員が競争相手だと思って意識してやっている」

レバンガ北海道3年目を迎える中野司、開幕に向けて「全員が競争相手だと思って意識してやっている」

2020/09/28
中野司

2018-19シーズン途中に特別指定選手としてレバンガ北海道に加わった中野司は、昨シーズンには20試合で先発を務めた。チームはなかなか勝てない時期を過ごし、彼自身も責任を感じて落ち込んだと話すが、プロ選手として経験を積む中で精神的に大きく成長している。「もちろん試合ごとに反省点は出るけど、それを良い方向に持っていかなければいけない」と正しいマインドを持って一歩ずつ前に進む中野に、新シーズンの意気込みを語ってもらった。

「試合に対する僕の考え方は大きく成長しました」

──北海道に入団するまでは、地元の関西を出たことがなかったと思います。北海道での暮らしはもう慣れましたか?

僕は暑いのが好きじゃないので、北海道の方がむしろ過ごしやすいですね。冬の雪がなければ最高です(笑)。雪が嫌と言うか運転がちょっと怖いだけですが、大きい道路は除雪されているので比較的大丈夫ですけど、ちょっと中に入った道だとあまり除雪されていなくて。去年、1度だけタイヤがスリップして動かなくなってしまい、近くに住んでいるおじさんたちが助けてくれて、人の温かさを感じました。ただ、初めて埋まったのでかなり焦りましたけど(笑)。

──2018-19シーズンに特別指定として北海道に加入し、昨シーズンがプロとしてのデビューシーズンでした。中野選手自身、北海道に入ってから一番成長したと感じる部分はどこですか?

試合に対する僕の考え方は大きく成長したと思います。特別指定の時、僕は19試合に出場したのですが、自分が出た試合で1勝もできませんでした。大学ではファーストオプションでやらせてもらっていたので、負けた時の責任が自分にあると思っていました。プロになっても試合に出させてもらった以上はその責任があると、1試合負けるごとにすごく落ち込んでいたんです。

ただ、その姿を見た松さん(松島良豪)から、「考え方は人それぞれだけど、ルーキー一人の責任で勝ち負けが決まるほど、このチームは終わっていない」と怒られました。それから次の試合に向けて気持ちを上手くコントロールできるようになったし、自信を持つことができました。負けて良い試合はないし、もちろん試合ごとに反省点はすごく出てきます。でも、それを良い方向に持っていかなければいけない、と松さんからはすごく言われましたね。

特別指定の時にそのことを教わっていたので、昨シーズンは負けてしまった試合で自分にも良くない部分はあっても、マイナスの方向に進むのではなく、次の試合でどう改善していくか、というマインドに変わったと自分でも感じています。

──そのマインドの変化は、パフォーマンスにも良い影響をもたらしましたか?

そうですね。自分にできることは限られているので、多くを求めすぎずシンプルに考えた結果、昨シーズンは良い方向に進んだと思います。その上でディフェンスをメインに考えるようになりました。ディフェンスは自分次第で波をなくすことができるけど、シュートは入る日と入らない日があります。そこにフォーカスしてしまうと、例えばシュートが1本外れたことに対して自分でもすごく考えてしまいます。ディフェンスをメインに考えれば、「次のディフェンスで頑張ろう」と切り替えることができました。その結果、ディフェンスの勢いがオフェンスにも繋がって、自分の中でもその感覚は試合を重ねるごとに感じていました。

中野司

「折茂さんのプレーを見て盗もうとトライしていました」

──松島選手や折茂武彦選手が引退し、今シーズンはバックコート陣の顔ぶれが変わります。今はまさにチーム内競争の最中だとは思いますが、プレータイムを得る自信はどうですか?

本当に今、チーム内で争っていますね。身体をぶつけて40分間プレッシャーをかけるディフェンスをヘッドコーチが求めているので、4対4や5対5の対人メニューをする時は、僕もそこをすごく意識しています。ただ、それは全員が意識しているので、その中で自分の強みを出していくことがすごく大事です。僕の強みは外角シュートとディフェンスをハードにすることなので、そこで他の選手と差をつけていきたいです。

僕自身、2番ポジションを勝ち取りたい気持ちがすごくあります。(葛原)大智さんや(牧)全さん、アキト(内田旦人)もそうですし、(橋本)竜馬さんや(多嶋)朝飛さんも2ガードで出ることがあるので、全員が競争相手だと思って意識してやっています。

──中野選手のプレーを見ていると、オフボールでの動きがすごく上手いように感じます。

昨シーズンはインサイドにボールを集めるバスケットが多かったので、その中で自分がどうズレを作るかはすごく考えていました。それこそ昨シーズンは折茂さんのプレーを見て、「この動きは僕も使えるな」とか「その動きを自分のものにしたらプレーの幅が広がるんじゃないか」と思いながら盗もうとトライしていました。ちゃんと盗んで自分の武器にできているかは分かりませんが(笑)、結果的に3ポイントシュートのフリーでのアテンプト数が増えているので、少しずつ身に着いているのかなとは思います。

──昨シーズンはルーキーながら32試合に出場して20試合で先発を務めました。今シーズンはどこをもっと成長させたいという個人的な目標はありますか?

どこを成長させたいということよりも、自分がどうしたら試合により長く絡めるのかを考えています。今日はこのミスがあったからプレータイムが減ったな、とか。逆にここが良かったから上手く行ったな、とか。どうやったらプレータイムを勝ち取れるかを考えていますね。本当はシーズンごとに個人目標を立てないといけないのですが、昔からあまり得意じゃなくて……。昔は最終ゴールが「プロになりたい」でした。ただ、その時もどういう選手になりたいとかは具体的に考えていなかったんですよね(笑)。

──今は「プロになりたい」という目標は達成しました。次の大きな目標は立てていますか?

なんだろう……。もちろん、Bリーグでやっているからには代表は目指したいし、欲を言えばオリンピックやワールドカップでプレーしたい気持ちはあります。だけど「なれるのかな?」とか、「ちょっと考えが先を行きすぎてへんかな?」って自分で思ったりしちゃって(笑)。というのも、自分が今のチームの中でちゃんとした立ち位置を確立してから次のステップのことを考えたくて。そもそもチームの中でまだ立ち位置を確立していないので、今は先のことを考えるよりも目の前のことに集中しています。

──しっかりと順を追っていくタイプなんですね。では、今シーズンのチーム目標を教えてください。

チームとしては30勝を目標に掲げています。昨シーズンの結果から考えて、いきなり優勝や無理な数字を挙げても具体性がないから、まずは30勝を目指すと宮永(雄太)ヘッドコーチから言われています。その上でアルバルクや宇都宮といった強豪チームと戦えるチームを目指しています。

中野司

「個人的には昨シーズンのスタッツをすべて上回りたい」

──北海道は位置的に、どうしても強豪の集う東地区に入ります。その難しさはどう考えていますか?

本当の本音を言えば、北海道がそのままグルッと南に回って沖縄の下ぐらいまで行かないかなってたまに思ったりしますよ(笑)。ただ、昨シーズンもSR渋谷や千葉に勝つことができたし、どのチームも全く歯が立たない相手ではないと思っています。選手は代わったりしましたが、本当にハードにプレーして相手が嫌がるバスケットをすれば勝つことができると僕は思っています。

──今シーズンの注目ポイントを教えてください。

チームとしては40分間ハードにプレッシャーをかけてディフェンスから流れをつかむチーム作りをしています。昨シーズンは外国籍選手が得点のほとんどを取っていましたが、今シーズンは日本人選手も得点にもっと絡んでくると思いますし、昨シーズンとは違う感じになると思います。なので「レバンガ、面白いチームになったな」と思ってもらえるように頑張ります。

個人的には昨シーズンのスタッツをすべて上回りたいです。そのためにもシュート確率やシュートセレクションも大事になってくるので、そこを見てほしいです。

──新シーズンの意気込みとファンへのメッセージをお願いします。

今シーズンのスローガンが、これがレバンガだと言えるスタイルを確立しようということで『This is us.』です。今シーズンのレバンガは走ってチーム全体で戦っていくバスケットをして行くので、その中で自分の強みであるシュート力、ディフェンス力を皆さんにお見せできればと思います。

開幕戦はアウェーで名古屋Dとの試合です。名古屋Dはすごく強力な補強をしていますが、それに負けないバスケットを展開したいと思います。ホーム開幕戦は島根とのゲームです。皆さんとホームアリーナで会えることを楽しみにしているので、レバンガのバスケットを楽しみに来てください。

──では、最後の質問です。チームの中でどういう存在でありたいですか?

考えたことがなかったですが、チームの中ではイジられキャラと言いますか。関西出身が僕だけなんですけど、やっぱり関西出身者は面白い人間と思われがちじゃないですか。でも、僕は普通の人よりも面白くないので、スタートから面白くない人間という感じになってしまって(笑)。昨シーズンも折茂さんや松さんに「ホントに面白くないな」と言われていたので、どういう存在になりたいかと言われたらもう分かんないですよね(笑)。でも、たとえおもんなくても頑張って面白いようにして行きます。

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