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指揮官カーは「調子自体は悪くない」とエースを信頼

ロケッツと対戦するカンファレンス決勝の第2戦、ウォリアーズは105-127の完敗を喫した。ケビン・デュラントが攻撃の軸として38得点を挙げた一方で、ステフィン・カリーとクレイ・トンプソンの得点は16、8と伸びず。スプラッシュ・ブラザーズの沈黙が一つの敗因となった。

カリーはスパーズとのプレーオフ1回戦を全休。ペリカンズと対戦したセミファイナル第2戦から出場しており、この試合が復帰6戦目だった。ペリカンズ相手には活躍できても、ロケッツはディフェンスの強度が一段上。さらには戦術の遂行能力も高く、当然ながらカリーは徹底的にマークされた。ここで問題だったのが、カリーがボールをさばけずに自分で打ち続けてしまったこと。自ら打開することにこだわった結果、フィールドゴール19本中7本成功(37%)、3ポイントシュートは8本打って成功わずか1と、らしくない姿を見せてしまった。

カリーが無理に打ってしまうため、良い形でボールをもらえないクレイ・トンプソンはフィールドゴール11本中3本成功の8得点とこちらも不発に。デュラントが38得点を挙げたのも、チームオフェンスが停滞しデュラントにボールを預けて終わり、という単発の攻めが続いた結果だ。

カリー対策は彼へのマークだけではなかった。ロケッツは徹底してウォリアーズの速攻を許さなかった。戻りが早いのはもちろん、ターンオーバーからの速攻を出させないためにオフェンスのパターンも変えた。さらには守備でカリーとの1on1の状況を作っては狙い打ち。カリーも決して守れないわけではないが、ジェームズ・ハーデンとの1on1では分が悪い。あらゆる面でカリーにフラストレーションを与え、調子を狂わせるロケッツの作戦は見事にハマった。

「1対1で守るのではなくスイッチをうまくやろうとしすぎた」とカリーは言う。「ロケッツは大変な努力をして1on1の状況をボールを動かすシチュエーションに変えた。自分も含めてウチは相手より一歩遅れてしまった」

それでもウォリアーズの指揮官スティーブ・カーは「調子自体は悪くない。第1戦よりも良くなっていると思う。試合ごとに調子を上げて、このシリーズの第6戦か第7戦で本来の姿を取り戻してくれればOKだ」と平然としていた。ただ、カリーが抑えられればチームに勢いが出ないし、逆に相手は勢い付くだけに、何もせず試合を重ねることで復調を待つわけにもいかない。

ケガの影響が心配されるところだが、カリーはこれを否定する。「調子は良いよ。ケガの影響を心配しているんだろうけど、その段階はもう過ぎた。ひざについては何の心配もない。シリーズは長いんだ。相手は対策してくるだろうけど、自分の長所を生かすことで乗り越えてみせる」

「敵地でやるべきことをやって1勝1敗、違う流れになっていなくて良かった。次はホームに帰って仕切り直しだ。自分たちの流れをどう取り戻すか、その方法を見つけないとね。ホームのファンを試合に引き込むことができれば、うまくやれるはずだ」

ホームに戻っての第3戦は現地5月20日に行われる。この2試合をどう分析し、次に備えるか。そしてカリーがいかに復調するか。試合のない期間をどう過ごすかが極めて重要だ。