文=立野快 写真=B.LEAGUE

ギブソンの故障にも動じず積極的な仕掛けで主導権を握る

4月22日、レバンガ北海道vs大阪エヴェッサの第2戦。第1戦、北海道はエースのマーク・トラソリーニが欠場。また日本人ビッグマンの野口大介が負傷し、大阪にインサイドを制圧され敗戦を喫し、チャンピオンシップへの道が絶たれた。この日もトラソリーニと野口を欠き、大阪のドライブとポストアップを組み合わせた攻撃に苦しんだ。

それでも開始直後に大阪をアクシデントが襲う。第1戦でゲームハイの30得点を奪ったエグゼビア・ギブソンが負傷。早々にベンチに下がり、第4クォーターまで戻れなかった。これでゲームプランが狂ってしまい、北海道のディジョン・トンプソンを止められず、折茂武彦にも連続得点を喫して北海道に流れが行きかけたが、大阪は今野翔太、熊谷尚也のドライブで反撃。ドライブをヘルプで止められても、空いたスペースに入り込むキース・ベンソンが得点し、18-16で大阪がリードして第1クォーターを終える。

第2クォーターは両チームにアンスポーツマンライクファウルがあり、北海道の桜井良太が出血で交代するなど荒れ模様に。今野がドライブ、3ポイントシュートと止まらず9連続得点で37-29と大阪がリードを広げるも、北海道もトンプソンがスティールからのワンマン速攻を決めるなど反撃して36-39と詰め寄って前半を折り返す。

そんな試合が動いたのは両チームともオン・ザ・コート「1」の第3クォーターだった。日本人ビッグマン野口を欠くインサイドの弱みを大阪が突き、前からあたる北海道の激しいディフェンスを冷静にかわす見事な試合運びで北海道を突き放し、大量リードを奪った。

トラソリーニと野口、北海道はビッグマンを欠き苦戦

北海道はキャプテンの多嶋朝飛が「レバンガが目指す連動性のあるオフェンスが少なく、今日は止まってしまう場面が多かった」と試合後に振り返ったようにオフェンスに動きが出ない。人とボールが連動するチームバスケットを発揮できずターンオーバーが目立った。またダニエル・ミラーが「ディフェンスではコミュニケーションミスで相手に簡単に得点を許してしまった」と語る連携ミスから熊谷尚也、デイビッド・ウェアにダンクシュートを食らう。

残り1分を切り、ファウルゲームに持ち込んで折茂がミドルシュートを、関野剛平が3ポイントシュートを決めて10点差を3点差まで縮めるも、追いつくには至らず。76-81で敗れた。

大阪エヴェッサは残留プレーオフ回避に向け大きな連勝をもぎ取った。熊谷や今野を中心とした外からのドライブや、この試合25得点15リバウンドのキース・ベンソンを中心としたハーフコートオフェンスなどバランスの良い攻撃が目立った。次節は3連勝中の滋賀レイクスターズと対戦。B1生き残りをかけた正念場となる。

北海道はこれで4連敗。水野宏太ヘッドコーチが「このようなゲーム一つひとつ勝っていくための力が、まだ自分たちには足りない」と語るように、前節の京都ハンナリーズ戦と同じくインサイドを強調する相手に接戦を落とすゲームが続くこととなった。