鵜澤潤

笑いと涙が共存する配信に

7月10日、今シーズン限りでユニフォームを脱いだ新潟アルビレックスBBの鵜澤潤が引退会見を行った。その後、ファンとの最後のふれあいの場を設け、youtubeで配信を行った。

鵜澤と同様に今シーズンで現役を退き、新潟のU23アソシエイトコーチに就任した佐藤優樹がMCを務めた。鵜澤は付き合いの長い佐藤の仕切りに苦言を呈したが、自然体で最後の時間を楽しんだ。配信には五十嵐圭、柏木真介、石井峻平も参加した。

昼の会見では、長年苦楽を共にした五十嵐が花束を贈り、互いに感極まって涙を流した。五十嵐は「歳を取ると涙腺が弱くなっちゃってダメだね」と、そのシーンを振り返った。「自分のほうが年上で引退する選手を送る経験が初めてで、それが一番長くプレーした潤だったからいろいろ思うところがあった」

鵜澤もそのシーンを振り、「今見ても泣いちゃう」と再びこみ上げるものがあった様子。だが、石井がタンクトップスタイルで花束贈呈に参加したことで、「感動が台無し」と五十嵐や柏木からお叱りの言葉が続出した。それでも鵜澤は「記憶に残るし、ネガティブな要素は何一つない」と擁護した。

鵜澤は16年という長いキャリアを経て、現役選手やプロを目指す選手に向け感謝の大事さを説いた。「長くキャリアをやらせてもらって強く思ったのが、いろんな人に支えられて選手生活を送れてるということ。若い頃は気が付かないことがあるかもしれないけど、当たり前だと思わずに感謝の気持ちを持ってやることが大事」

同級生で中学生の頃から鵜澤を知り、以前は同じマンションに住んでいたという柏木は「一緒にいる時間も長かったし、寂しい気持ちはある。同級生で同じチームに潤がいたからこそ新潟の生活が楽しく送れた」と、率直な気持ちを伝えた。

五十嵐も思い入れのある鵜澤に最後の言葉を贈った。「新潟の3年間、名古屋での6年間、代表も含めると10年間、これだけ一緒にプレーできたのは潤だけだった。選手として区切りをつけて前に進むけど、応援したいし、プレーヤーとしては潤の思いを胸に現役生活を続けていきたい。本当にお疲れ様でした」

そして、鵜澤はブースターへ向け、選手として最後のメッセージを送った。「新潟に来てからの3年間は充実した日々を過ごせました。コロナウイルスの影響で試合が中断になってしまい直接感謝の言葉を言えませんでした。本当にありがとうございました。指導者として成長した姿を皆さんに見せたいと思いますし、コロナが落ち着いた頃には新潟に花火を見にきたいと思いますのでよろしくお願いします。今後とも、応援よろしくお願いします」

また一人、日本バスケ界の発展に貢献してきた選手がコートを去った。最後は佐藤による長渕剛の『乾杯』で締めくくられた。

「潤さんに幸せあれ」