敗戦を糧にしチャンピオンシップを見据える名古屋Dの司令塔、笹山貴哉「同じ過ちは繰り返さない」

2018/03/13
Bリーグ&国内
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文=丸山素行 写真=B.LEAGUE

中と外のバランスが崩壊し敗れた栃木戦

名古屋ダイヤモンドドルフィンズはアウェーの栃木ブレックス戦で連敗を喫した。昨日の第2戦終了後の会見で、梶山信吾ヘッドコーチは「完敗」という言葉を発した。長所である3ポイントシュートの成功が、18本中4本(18.2%)と低調だったことが表すように、栃木の激しいディフェンスの前に名古屋Dの強みを消されたことがその表現につながった。

シュートは水物というが、それだけを頼りにしていては、毎試合が運頼みとなり、安定して勝つことは難しい。ポイントガードの笹山貴哉はシュートが不調な時ほど、インサイドを強調し中と外のバランスを取るべきと訴える。「外だけでダメな時に『外が絡んで中』というのがなくなっていました。良い時は外でボールがよく回って、良いシュートが決まっています。中から外、外から中とバランスをとることが必要でした」

笹山はそう言うが、インサイドを全く使っていなかったわけではない。ジャスティン・バーレルやクレイグ・ブラッキンズの強力インサイド陣を強調する場面も多々見られた。だがそれを栃木ディフェンスが上回った。

「(ジェフ)ギブス選手が一人で守れる力を持っていたのも大きいです。そこで周りの4人のディフェンスがあまり動かなかったというのが、ズレなかった理由の一つ。そこでスクリーンを使って中に入ったりして、外と連携させないといけないなって。中、中、中と中を攻めるだけになってしまったので、それが最後に出てしまいました」

東地区を勝ち抜く個の強さを体感

名古屋Dは栃木のアグレッシブかつフィジカルなディフェンスに終始苦しめられた。ライアン・ロシターやギブスのビッグマンとは思えないフットワークでピック&ロールを封じられ、ターンオーバーを連発した。また遠藤祐亮を筆頭に、オフ・ザ・ボールの場面で身体を当てるディフェンスにより外に追いやられたこともオフェンスがうまくいかなかった要因の一つ。笹山自身はそこまでフィジカルで削られた印象はないというが、コントロールをしている中でウイングがダメージを受けている印象を受けたという。

「ウイングマンはやられてたなと。いつもだったら1歩、半歩でも中でもらえるところを、遠藤さんとかに当たられて嫌な位置でもらわされました。ピックでもちょっと上にやられましたね。認めたくはないですけど、これが東地区の強さなのかなって。チームというよりも、個人スキルとして強いと感じました」

連敗もポジティブに捉え「焦りはないです」

栃木に連敗したとはいえ、名古屋Dは栃木戦を迎える前の直近10試合で8勝2敗と調子を上げ、チャンピオンシップ争いに急浮上した。2試合連続で1点差勝利をするなど、「ラッキーな勝ち方もあった」と笹山は言うが、チームが上昇気流に乗っていることを肌で感じたという。「運も味方につけたという部分で、流れはウチに来ていると感じます。勝てたこと自体がチームの成長につながると思っていたので、これから行けるという思いはありました」

上り調子だった矢先の連敗となったが、笹山はこの負けがこの先必ず教訓になると信じ、「同じ過ちは繰り返さないように」とポジティブに捉えている。「特に昨日のゲームは35分間僕たちが優位に立っていたところを最後の5分で負けにさせられました。これから先、そのようなゲームも出てくると思います。この『ド』アウェーでそういう経験ができたのは良かったです」

このタイミングでの連敗に焦りはないかと問うと、「僕は絶対チャンピオンシップに出れると思っているので、焦りはないです」と笹山は力強く答えた。

現在中地区は2位の三遠ネオフェニックスから4位の新潟アルビレックスまで2ゲーム差となっており、チャンピオンシップ争いは今後さらに激しさを増していく。『ド』アウェーの耐性をつけた笹山が同じ過ちを繰り返さなければ、名古屋Dのチャンピオンシップ進出への扉は自ずと開かれるかもしれない。