Bリーグ再開、傷心の代表選手たちを抱える上位チームからアップセットを奪え!

2018/03/02
Bリーグ&国内
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文=泉誠一 写真=野口岳彦

アップセットを狙えるチャンスウィーク

先週行われたワールドカップのアジア1次予選Window2は、点差的には惜しい試合だったが、本戦出場へ向けて結果が求められる中で勝利をつかめなかった。日本代表選手たちは、休む間もなく今週末より再開されるBリーグに臨む。フィジカルコンタクトが格段に違う国際試合、フィリピンへの移動も強いられ、何より勝てなかったことで心身ともに疲弊しきっているはずだ。

今節、日本代表選手を2名ずつ擁するチームは、勝率が大きく下回るチームと対戦する。日本代表選手たちが本調子ではなくても、その実力差は小さくない。だが、下位チームにとってはアップセット(番狂わせ)のチャンス到来である。強気で金星を狙いに行こう。

アルバルク東京(東地区1位/竹内譲次、田中大貴)
 vs 新潟アルビレックスBB(中地区5位)@アオーレ長岡

川崎ブレイブサンダース(東地区3位/篠山竜青、辻直人)
 vs 横浜ビー・コルセアーズ(中地区6位)@横浜国際プール

新潟は今シーズンすでに延長戦でA東京に勝っていることを自信に、今度はホームでファンを熱狂させたいところだ。ともに神奈川を拠点とする川崎vs横浜は今シーズン初対戦となる。先日、横浜国際プールで辻は8本の3ポイントシュートを沈めた。日本代表候補として常に名を連ねており、フリオ・ラマスヘッドコーチも評価している川村卓也とのスコアラー対決は見物である。

シーホース三河(中地区1位/橋本竜馬、比江島慎)
 vs 滋賀レイクスターズ(西地区4位)@ウカルちゃんアリーナ

琉球ゴールデンキングス(西地区1位/アイラ・ブラウン、古川孝敏)
 vs 大阪エヴェッサ(西地区3位)@沖縄市体育館

孤軍奮闘する『日本のエース』比江島のダメージは計り知れない。対する滋賀は、昨シーズンのラストゲーム、アウェーで2連勝をもぎ取ったあの興奮再び、となるか。西地区3位とはいえ、9ゲーム差をつけられている大阪にとっても、ここで首位を叩いてひと泡吹かせよう。日本代表戦ではことごとくフリースローが決まらなかったブラウンに対し、良いファウルをしてストレスを溜めさせながら勝利をたぐり寄せることも可能だろう。黒星が先行する下位チームはここで勝利を挙げれば、現状を打破するきっかけとなる。

しかし本音は──キツい状況を強いられている日本代表選手たちこそ歯を食いしばり、チームを勝利に導く活躍を見せてもらいたい。

試投数が物語る『勝負どころで頼られない日本人選手』

ワールドカップアジア予選での日本代表はリバウンドが取れないこともさることながら、そもそもシュートが入っていない。フィールドゴール成功率は39.3%。この数字の低さは、すべてのB1チームが4割以上を挙げていることで言い表すことができる。だが、この結果も現状を紐解いていけば必然とも言える。

日本代表の中で、一番シュートを打っているのはエース比江島の47本。一方で、三河での比江島の試投数は326本でチーム3番目になる。Bリーグで一番試投数が多い日本代表選手は宇都直輝で、532本と群を抜いている。しかし代表戦では6本放って1本しか決められず、経験不足は否めない。

外国籍選手を含めると、試投数1位はニック・ファジーカスの688本。比江島の倍以上の数字である。つまり、日本人がシュートを打つこと自体が少ない。第4ピリオドは横並びでオン・ザ・コート「2」を選択し、勝負どころでは外国籍選手頼みになっているのが現状だ。言い換えれば、国内リーグで日本人選手が信用されていない境遇の中、彼らだけに責任を押しつけるのはあまりに気の毒である。

Bリーグには、元日本代表ヘッドコーチや現役時代に日の丸を背負った指揮官は少なくない。願わくば、彼らこそが日本人選手の力を信じ、第4ピリオドにオン・ザ・コート「1」で戦ってもらえないものか。本来であれば、外国籍選手からそのポジションを奪う日本人ビッグマンが台頭しなければならない話だが、まずはそのチャンスを与えてほしい。日本代表の戦い方を、Bリーグからシミュレーションすることだってできるはずだ。

日本人のためのリーグへと進化させるチャンス

6月にやってくるWindow3では、アメリカで活躍する渡邊雄太や八村塁らへの待望論が高まっている。それが解決策ならば、極論を言えば日本にプロリーグなんて必要はなく、選手たちはそれぞれ海外でプレーさせた方が早い話になってしまう。

ラストのチャイニーズ・タイペイ戦に2点差で勝てば良いという楽観的な見方が多いのも気がかりだ。その前に、チャイニーズ・タイペイがフィリピンに勝ち、日本がオーストラリアに敗れれば、早々に予選敗退が決まってしまう。次のオーストラリア戦にも「勝つんだ!」という気概と危機感をどれだけ持つことができるだろうか。

ヘッドコーチを代えれば、タレントがいれば、シュートが入れば、リバウンドが取れれば……とそれぞれの課題「点」だけを見て嘆いていても、何も解決しないのは歴史が雄弁に語ってくれる。その「点」をいかに早く「面」にし、勝利に向かって「立体化」させていけるか。そのためにも、キャリアアップを目指してスタッツを荒稼ぎに来る外国籍選手のためではなく、日本人選手が力をつけ、自信を持てるようなリーグ環境にするためにはどうすべきか。シーズン中の代表戦で浮き彫りになった日本の課題を解決するリーグへと進化するチャンスでもある。