両チームとも堅守が目立つ、引き締まった展開に
中地区首位を快走するシーホース三河と、同地区3位でプレーオフ進出争いを演じる富山グラウジーズのゲーム1。リバウンドと試合運びの妙を見せたホームの三河が勝ち切った。
両チームともオン・ザ・コート「1」の第1クォーターは桜木ジェイアールを擁する三河にインサイドで分がある。それでも富山は青木ブレイクが桜木を厳しくマークして自由を与えない。三河は金丸晃輔、富山は宇都直輝にボールを集めて点を取り合う。両チーム拮抗した時間帯が続くが、リバウンドで優位に立つ三河がじわじわと抜け出し、第1クォーターの最後には比江島慎に代わり先発した西川貴之が連続得点を決め22-16とリードを奪う。
ただ、第2クォーターは金丸と橋本竜馬が全休したこともありアウトサイドの得点が止まり、インサイドもダニエル・オルトンが得点なしと伸び悩む。それでも第1クォーターには簡単にシュートまで持ち込まれていた宇都のピック&ロールに対応し、3ポイントシュートを1本決められた他にはシュートを打たせず、我慢の展開に持ち込みリードを保った。
富山が走り三河が返す、第3クォーターの攻防
それでも後半、30-33と3点のビハインドを背負った富山が開始から走る。崩し切っていなくても果敢にシュートに持ち込み、サム・ウィラードがゴール下で自らのシュートミスを拾って押し込み、宇都が得意のスピンムーブからのジャンプシュートを決めて34-33と逆転。守備では桜木をペイントエリアから押し出し、得意のポストプレーに持ち込ませず、後半開始から9連続得点で39-33までリードを広げる。
ただ、試合巧者の三河はアジャストが早く、ポジション争いで苦戦する桜木のポストプレーに固執せずにアウトサイド主体の攻めに切り替え結果を出す。残り5分44秒で西川が逆転の3ポイントシュートを決めた場面は、桜木のポストプレーが警戒された影響で同サイドの西川が労せずしてオープンで打つことができた。一方の富山は後半立ち上がりこそズレができなくても強引に打つシュートが決まっていたが、タフショットは決まり続けるものではない。次第にリングに嫌われるようになり、前半50%を超えていた2点シュートの成功率は17本中5本と30%を切った。
第3クォーター前半には富山に9-0のランがあったが、後半には三河が9-0のランをお返し。55-46で最終クォーターに入ると、三河はがっちりと試合を締めにかかる。それまではタイムシェアを徹底していたが、勝負どころの10分間では比江島と金丸をフル出場させた。
フリースローによる得点が勝敗を大きく左右する
富山もあきらめず、残り5分25秒で宇都が単独ドライブで西川に突っかけてバスケット・カウントをもぎ取る3点プレーで58-63と5点差に迫るが、三河はここから攻守のギアを上げて突き放す。激しいディフェンスの代償でファウルのかさむ富山の弱みを逃さずに突いてフリースローでリードを広げ、残り2分を切って比江島がスティールからのワンマン速攻を決めたところで73-60。これで勝負を決め手しまった。
最終スコア76-62で三河の勝利。両チームともタフなディフェンスを遂行する引き締まったゲームで、最終的に点差は離れたが、富山の指揮官ミオドラグ・ライコビッチは「ディフェンス面ではコントロールできていた。35分間は非常に良かった」と収穫を語る。
それでも三河は一枚上手で、激しいディフェンスに苦しみながらもきっちりとファウルを取りにいき、25本のフリースローを得て19本を決めている。一方で富山に与えたフリースローは宇都のバスケット・カウント2回による2本のみ。この差が最終スコアに表れる結果となった。
このところ好調で代表合宿にも呼ばれている西川はゲームハイの19得点で先発起用に応えた。3ポイントシュート3本成功を含むフィールドゴール9本中5本と高確率で決め、代表のエースである比江島以上のインパクトを残した。
明日のゲーム2もウイングアリーナ刈谷で、14時5分ティップオフとなる。