文=丸山素行 写真=B.LEAGUE

第2クォーターを7点に封じたディフェンスが光る

横浜ビー・コルセアーズvs島根スサノオマジックのゲーム2。ディフェンスが機能し、バランスの良いオフェンスを展開した横浜が前半で大量リードを奪い、2桁リードを保ち続けて80-68と完勝した。

先手を取ったのはホームの横浜。連動したパス回しからタイミング良くボールが入って開始2分半で9-1と好スタートを切る。その後、ジョシュ・スコットに第1クォーターだけで3つのオフェンスリバウンドを奪われ一度は追い付かれるも、川村卓也の3ポイントシュート、ハシーム・サビート・マンカのインサイドと内外から連続得点を奪い、25-17と横浜がリードした。

第2クォーターに入ると、横浜はシュートが入らない時間が続くがチームディフェンスが機能し、守備でリードを保った。特にディフェンスではオフェンスリバウンドを何本も許すも最後までプレッシャーをかけ続け手元を狂わせた。その結果、島根は個人プレーからのシュートがことごとくリングに弾かれた。

鈴木裕紀はこのクォーターをこう振り返る。「それぞれが『線』として攻めることができずに『点』で攻めてしまって、連動性を欠くオフェンスになってしまった。自信を持って攻めるところとセルフィッシュになってしまうところがあり、うまく噛み合わなかった」

横浜もシュートに苦戦するものの、細谷将司の3ポイントプレーやジェフリー・パーマーの3ポイントシュートなどで、この日最大となる13-0のランを繰り出した。15-7とこのクォーターでも上回り、前半で16点のリードを奪った。

「流れが良くない時も焦りがない感覚」

第3クォーターに入り、ウィリアム・マクドナルドが11得点、スコットが10得点を挙げ、インサイド陣が安定した力を出し拮抗する展開が続く。7-2とオフェンスリバウンドで上回った島根がわずかに点差を詰めた

最終クォーター残り5分25秒、インサイドで連続失点し10点差に迫られた横浜だが、オフィシャルタイムアウトを待たずにタイムアウトを要求。直後のオフェンスで川村がフリースローを獲得し流れを切ると、残り約3分の場面で満田丈太郎が3ポイントシュートを沈め勝負アリ。点差を1桁に戻されるピンチを切り抜け、終始2桁のリードを保った横浜が嬉しいホーム2連勝を飾った。

尺野将太ヘッドコーチは「ホームで2連勝できたことには大きな意味がある。前半良いプレーができて、後半に相手に流れがいく中で、我慢しながら切れることなくプレーできたことが良かった」と力強い口調で話した。

その我慢できた部分については、特に第2クォーターでのパフォーマンスを挙げた。「良いオフェンスができていたがシュートが入らなかった。そこで選手が良いシュートを打てていると理解できていたので、打ち続ければ入るし、アタックし続ければファウルは鳴るというところで、ゲームの感覚として流れが良くない時も焦りがないというか、このままいけば大丈夫という意識が共通して持てたのが良かった」

PGのテコ入れに手ごたえ

一方、敗れた島根の鈴木コーチは80点を奪われたディフェンスを敗因に挙げた。「ボールラインを下げたくなかったので、45度のディフェンスのディナイ、ペイントエリアに簡単にボールを入れさせないという2点、そこが徹底できていなかった。簡単にペイントでスコアされたことが多く、チームとしてやるべきことができなかった。ディフェンスでストップすることができなかったので自分たちの早い展開に持ち込めなかった」

今日の敗戦により、島根は今シーズンワーストとなる10連敗を喫した。だが後半のスコアだけに注目すると44-40と島根が上回り、鈴木コーチも収穫を口にした。

「今シーズン初めて試したんですけど、テンポアップをするため、ディフェンスの圧を継続的に続けていくために後藤(翔平)をポイントガードで使いました。そのこともあり、この後半は23点、21点とスコアを上げることもできました。プレータイムを伸ばしながらチャレンジしたい」

横浜は今シーズン初となるホームでの連勝を飾り、リーグ15位の滋賀レイクスターズとのゲーム差を0.5に縮めた。このホームでの連勝をきっかけに、海賊の逆襲に期待したい。