「見てる人が自然と応援したくなるようなプレーヤーに」
レバンガ北海道は来シーズンの契約を結んだ桜井良太の会見をリモートで行った。
現在37歳の桜井は『レジェンド』の折茂武彦が引退したことによってチーム最年長となる。北海道一筋、14年目を迎える来シーズンについて、桜井は次のように意気込みを語った。
「折茂さんが引退をされて、新生レバンガ北海道が本当の意味で始まるシーズンだと思います。折茂さんがいなくなって、マイナスな方向に進んだとか成績が悪くなったということだけは絶対に言われてたくないです。自分が最年長になるので、精神的な柱としてもチームを引っ張って、折茂さんがもう自分がいなくても大丈夫と見て思えるチーム、そして悔しがるくらいのチームを作っていきたい」
折茂が悔しがるとは、単に良い成績を残せばいいというわけではない。「何勝したとかではないです。折茂さんが北海道に来た時に、応援してくれる人の数や熱量が他とは違ったと言い、それで北海道でプレーしたいと思ったと言っていました。今まで以上にお客さんが盛り上がって、熱気のある環境や会場を作れれば、折茂さんは悔しがると思います」
悲願のチャンピオンシップ進出に向け、こうしたチームを作ることが最低限のことだと桜井は言う。「もちろん勝ったほうが良いに決まってるんですけど、どんな時でも必ず頑張れるチームを作れば、お客さんの気持ちも入るし、盛り上がると思う。逆にそれができなければ、プレーオフも見えてこない」
「満足のいく動きができなかった」昨シーズン
折茂は引退会見を行った際、「桜井良太を応援してあげてください」とのメッセージをファンに送った。桜井は「自分のことを気にかけてくれたということなのでうれしい」と感謝を示したが、それと同時に選手としてのプライドも刺激された。
「応援してくださいと言われて応援してもらうものではないと思うし、見ていて応援したくなったら応援するものだと思っています。折茂さんが気にかけてくれたのは、自分がプレーヤーとしてイケていなかったということ。来シーズンは自分のパフォーマンスを上げて、見てる人が自然と応援したくなるようなプレーヤーにならないといけないです」
今シーズンの桜井は出場した35試合中2試合の先発に留まった。平均7.0分のプレータイムで0.7得点に終わり、キャリアワーストと言えるシーズンとなってしまった。それは「シンプルに走ったり跳んだりする部分で、満足のいく動きができなかった」ことが要因と桜井は分析した。
ベテランと呼ばれる年齢ともなれば、身体に衰えが生じることは避けられない。それだけにこれまでの経験を生かし、チームのメンターになることをメインにする選手もいる。だが桜井は「数シーズンはプレーでチームを引っ張れなかった」という思いが強く、プレーヤーとして貢献することに大きな意味があると言う。
「チームの精神的柱として引っ張ってほしいと期待されていますが、自分はプレーでチームを引っ張る選手でいたいとまだまだ思っています。ディフェンスで頑張って、リバウンドや相手のターンオーバーからボールをプッシュして、良いシュートを打ったり、味方に簡単なシュートを打ってもらうことが一番の持ち味だと思っているので、ボールプッシュやコースト・トゥ・コーストにもっていけるようなプレーをしたいです」
自身とチームの再起を誓う桜井は最後にファンへ向け、このような言葉で締めた。「個人としてもチームとしても充実したシーズンを送って、応援してくれるブースターの方々が楽しめる、熱くなれるゲームをしていくつもりでいるので、レバンガ北海道の応援を宜しくお願いします」