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再建がゴールのブルズでは将来的に居場所はない

開幕から間もない10月16日、ブルズの練習場で事件は起こった。ニコラ・ミロティッチとボビー・ポーティスがケンカし、ポーティスに殴られたミロティッチは顎の骨を折るなどの重傷を負った。復帰後のミロティッチは平均17.9得点、7.6リバウンドを記録。最低の序盤戦からブルズを救う働きを見せている。ミロティッチが復帰した12月8日のホーネッツ戦からブルズは9勝2敗。それまで3勝20敗で来ていたのだから、見事なV字回復だ。

しかし、その心はもうシカゴから離れているようだ。ポーティスとの騒動よりも、ブルズと自分の目指すゴールが異なるのが理由だというから根は深い。ブルズは若手を中心とする再建期に入ったばかりで、今シーズンのプレーオフ進出は難しい。そもそも、それを目標にもしていないと言うべきだろう。

現在26歳のミロティッチにとって、そんなブルズでキャリアの全盛期を過ごすわけにはいかない。『Chicago Sun-Times』によれば、ミロティッチは契約に含まれているトレード拒否条項を破棄することを前提に、トレードの対象となる1月中旬に他チームへの移籍を希望しているという。

ブルズにとっても悪い話ではない。現在が好調なだけに、ミロティッチと交換でドラフト1巡目指名権、または今後が楽しみな若手の獲得も不可能ではない。そもそも、数年後に再建を終えたブルズのパワーフォワードは、ミロティッチではなくラウリ・マルッカネンのポジションになる。

こうなると、あとは交渉でどのチームがミロティッチを迎え入れるかという話になってくる。プレーオフ進出を目指すチームで切り札になれるのはもちろん、ファイナルを争うチームであっても、ミロティッチは十分に戦力として役立つはずだ。