オリジナリティ溢れるシュートに期待
2019-20シーズンが中断中のNBAは、新型コロナウイルスの感染拡大によりシーズン再開の目処が立っていない。『ESPN』によればNBAはバスケットボールを求めるファンの声に応えようと、一つの企画を検討している。それが『HORSE』と呼ばれるシンプルなシュートマッチだ。
『HORSE』では、先攻の選手が好きな場所から好きな方法でシュートを打ち、後攻の選手がそれを真似する。先攻の選手がシュートを決め、後攻が外すと、後攻の選手には罰としてアルファベット「H」が与えられる。シュートを5回失敗して『HORSE』が完成した選手が負け、シュートを決め続け最後まで残った選手が優勝だ。
『HORSE』の魅力は実際の試合では滅多に見られないクリエイティブなシュートが見られること。ゴールからどれだけ離れた場所から打ってもいいし、ゴール裏からボードの上を通してもいい。シュートの打ち方も、ゴールに背を向けてボールを放り投げていたり、往年の名選手リック・バリーのようにフリースローラインから下手投げで打ってもいい。
『HORSE』が開催されるのは実は今回が初めてではない。1977-78シーズンにはレギュラーシーズンとポストシーズン中に32人の選手が参加して、テレビで放映された。2009年と2010年のオールスターウィークエンドでも開催され、現在ネッツのケビン・デュラントが2年連続でチャンピオンに輝いた。
『HORSE』にはスター選手が何人か参加する予定だが、トレイルブレイザーズのデイミアン・リラードはファンが観てみたい選手の一人だろう。リラードはロングレンジからの3ポイントシュートを得意としている。NBAのベストシューターであるウォリアーズのステフィン・カリーや、10年前に優勝したデュラントの出場も期待される。
『HORSE』の開催はレギュラーシーズン再開の見えないNBAにとっては苦肉の策かもしれないが、何もしないより良いのは間違いない。出口の見えない危機に立たされる中でもファンにエンターテイメントを届けようという姿勢は他競技のリーグも見習う点が多いのではないか。