気迫で上回った横浜ビー・コルセアーズ、接戦を制する連勝は浮上の転機となるか

2017/12/18
Bリーグ&国内
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文=鈴木健一郎 写真=B.LEAGUE

最終クォーター終盤まで逆転を繰り返す熱戦に

富山グラウジーズと横浜ビー・コルセアーズは、昨シーズンの残留プレーオフで対戦した両チームの顔合わせ。11月に行われた横浜のホームゲームは1勝1敗のイーブンに終わったが、今回は中地区最下位でお尻に火が付いた横浜が気迫で上回り、価値ある連勝を手にした。

第1戦は4つのクォーターすべてで横浜が上回る完勝。それを受けた昨日の第2戦では富山が守備の課題を修正し、前半の失点をわずか22に抑え、大きくリードして後半へ。それでも、ハーフタイムにオフェンスを修正した横浜が反撃に出る。外国籍選手だけで無理に攻めるのではなく、チームオフェンスを遂行してガード陣も積極的にアタック。こうして第3クォーターを25-10と圧倒し、47-46と逆転して最終クォーターへ。

第3クォーターに細谷将司が作り出したアップテンポの良い流れを引き継いだ田渡凌、そのピック&ロールからズレを作る攻めに富山は苦しむ。じわじわと点差を離され、さらには大塚裕土がファウルアウトになる危機的状況に。だが、これを打開したのはエースの宇都直輝だった。自らのスティールから一気に走って得点すると、サム・ウィラードが身体を張ってディフェンスリバウンドを押さえるのを確信して、他の選手より一歩早くスタート。ボールを受け取ると迷わずリングに突き進んでレイアップを沈める連続得点で、57-57と追い付いた。

宇都直輝と田渡凌がアップテンポな攻めを演出

ここまでは比較的重たい試合だったが、この宇都の連続得点から最終盤にかけて一気にヒートアップする。デクスター・ピットマンがフリースローを2本落として流れが再び横浜に。川村卓也がショットクロックぎりぎりでウィラードを振り切るフェイダウェイシュートを沈め、宇都のドライブをダブルチームで耐えると、速攻に転じた田渡が数的不利をモノともしない強引なアタックを決めきって61-57と再び突き放す。

それでも富山も引かない。タイムアウトを取ってデザインしたオフェンス、じっくり一本取りに来るかと思いきや、ウィラードとのシンプルなハンドオフから宇都がギュンとスピードを上げ、高島一貴のファウルを受けながらもレイアップを沈める3点プレーを見せる。続く攻めではウィラードがミドルシュートを落ち着いて沈めて逆転。2711人を集めた富山市総合体育館は大いに沸いた。

その後も田渡と宇都の得点でリードチェンジを繰り返し、残り30秒で64-63と富山が1点のリード。横浜はここで最後のタイムアウトを使い、勝負どころのオフェンスをアレンジする。田渡から高島を経由し、オフボールスクリーンで大きく動いた川村にボールを託す。ここ一番で無類の勝負強さを発揮する川村に富山ディフェンスの意識が集中する中、その数秒前に川村にオフボールスクリーンをかけていたジェフリー・パーマーがするすると下がっていた。川村はそれを見逃さず、真正面でオープンになったパーマーにボールを回す。この3ポイントシュートがネットに吸い込まれ、横浜が66-64と逆転した。

「後半の遂行力」で勝利をもぎ取った横浜

残り20秒、富山は宇都で最後の勝負に出る。ウィラードのスクリーンを使って切り込んだ宇都は、スピンムーブで満田丈太郎とパーマーのダブルチームをかいくぐる。だが、抜けたと思って腕を伸ばしたところに、ハシーム・サビート・マンカのブロックが待っていた。221cmのマンカがこのレイアップを叩き落とし、リードチェンジを繰り返す激闘を横浜が制した。

横浜の尺野将太ヘッドコーチ代行は、得点が伸びない前半を受けて「ボールに人が集まる傾向があったので、後半はオフボールのスクリーンを使いながらシュートチャンスの動きを作りました」とハーフタイムの指示を明かす。「後半、選手たちが本当によくプレーで遂行してくれて、そこに尽きると思います」と会心の勝利を振り返った。

富山はドリュー・ヴァイニーを欠いていたが、横浜もケガ人が多く、2試合ともに10人で戦わなければならない状況。それでも特定の選手に負担を集中させることなくローテーションし、チームで2勝をもぎ取った。中でも目立った選手を挙げるとすれば満田だろう。スピードのある宇都のマークマンとして土日ともに先発に抜擢された満田は、足を使った粘り強いディフェンスで宇都にプレッシャーを与え続け、富山にリズムを作らせなかった。

これで横浜は連敗を6で止めるとともに今シーズン初の同一カード連勝を決めた。それでも中地区最下位であることに変わりはないが、勝利は最良の薬とも言う。ホームに戻ってミッドウィークの新潟アルビレックスBB、そして週末のレバンガ北海道との試合で、チームを一気に浮上させられるかどうか。まだ前半戦ではあるが、ここが正念場だ。