ラスト2分半で2点差、勝負どころで明暗が分かれる
12月17日、川崎ブレイブサンダースが敵地の船橋アリーナで千葉ジェッツと対戦。観客5649人がスタンドを埋める完全アウェーの雰囲気、なおかつチームの軸である篠山竜青がギャビン・エドワーズとの衝突により第1クォーターで途中退場するアクシデントに遭いながら、昨日には見られなかった粘り強いチームディフェンスを披露。終盤までもつれる展開を制して78-70で競り勝ち、22点差で敗れた前日の雪辱を果たした。
第1クォーター、川崎はニック・ファジーカス、千葉はマイケル・パーカーにエドワーズとともにインサイドで加点し、序盤から一進一退の攻防となる。しかし、終盤に川崎はジュフ・バンバのジャンプシュート、さらにファジーカスの早くも本日3つ目のスティールから栗原貴宏が速攻でレイアップを決め6点のリードを奪う。
第2クォーターに入ると千葉はエドワーズがこのクォーターだけで11得点と活躍。しかし、川崎もファジーカスが11得点と昨日は後手に回ったインサイドの主導権争いで互角に渡り合うと、長谷川技、栗原が効果的な3ポイントシュートで7点リードを奪い前半を終える。
第3クォーター、千葉は前半でファウル3つとなったエドワーズがベンチスタートとなる中、小野龍猛が3本の3ポイントシュートで牽引するが、川崎も応戦して点差は変わらない。それでも第4クォーターに入ると千葉はコートに戻ってきたエドワーズのゴール下、石井講祐の3ポイントシュートで流れをつかみ、残り約2分半で70-72と肉薄する。
だがその直後、千葉はエドワーズが5つ目のファウルを犯して痛恨の退場。ここから川崎はさらにファジーカスによるゴール下勝負を強調。ファジーカスが期待に応え、しっかりとファウルをもらってフリースローで加点し、守備陣も要所で踏ん張って熱戦を制した。
前日の大敗から攻守をきっちり修正、見事リベンジ
川崎の北卓也ヘッドコーチは、試合をこう総括する。「昨日の負けからしっかり切り替えて修正して臨めました。昨日はレイアップとファストブレイクで30点以上やられました。かなり走られていたのを、今日は全員ですぐに戻り、レイアップさせずに守れたのが良かったです。そして相手のオフェンスリバウンドが8本と、セカンドチャンスを抑えることもできました」
また前日は「ただ頑張っているだけ」と厳しく評した守備について「今日はルールをしっかり守るチームディフェンスができました。昨日はガムシャラにやっているだけでチームルールを無視していましたが、今日はその点についてある程度は徹底できました」と及第点を与えている。
一方、千葉の大野篤史ヘッドコーチは、勝敗を分けたポイントとして前半におけるリバウンドを挙げる。「(敗因は)完全にリバウンドです。前半で12本のオフェンスリバウンドを許してしまいました。(川崎がシュートを外した)リバウンドチャンス17本のうち12本を失って相手のポゼッションにしてしまったことを大きく修正しないといけないです」
川崎の修正はオフェンス面でも適切に行われていた。「昨日はインサイドに入れても他のプレーヤーが自分のマークマンを連れて近くに寄っていき、ヘルプに楽に行かせてしまった。簡単に言うと、相手が1人で2人を守れるようなフロアバランスにしてしまいました」
北ヘッドコーチがこう語る第1戦の課題を一夜で修正。昨日にはなかったコーナーから3ポイントシュートを打つ機会を作り出し、さらにエースのファジーカスが31得点とゴール下で得点を量産した。その結果として千葉はエドワーズがファウルアウト、パーカーとレオ・ライオンズがファウル4つとインサイド陣が揃ってファウルトラブルに陥った。
高い修正力を発揮して連敗を免れた川崎の次の課題は、いかに今日のような質の高いプレーを続けていくか。そういう意味でも20日に行われるアルバルク東京との対戦は、調子の波をなくすという現在のチームにとって一番の課題を修正できるかが問われる試合となる。