クリスチャン・ウッド

スターターに定着し平均22得点、10.2リバウンド

最近のピストンズのスターティングラインナップにはクリスチャン・ウッドという聞き慣れない名前がある。24歳のジャーニーマンの活躍は現在のピストンズにとって唯一のポジティブなニュースであり、『リンサニティ』のジェレミー・リン以来のシンデレラストーリーだ。

アンドレ・ドラモンドがトレードされ出場機会が増えたことでウッドの才能は開花した。スターターとして出場した12試合で平均22得点、10.2リバウンド、フィールドゴール成功率54%、3ポイントシュート成功率37.7%をマークしている。3月7日のジャズ戦ではキャリアハイの30得点、4日のサンダー戦でも29得点を挙げた。

リンと同じように、ウッドはドラフト外のフリーエージェントとしてNBAのキャリアをスタートさせた。シクサーズで1シーズンプレーしたあと、4年間でホーネッツ、バックス、ペリカンズ、ピストンズと5チームを渡り歩いた苦労人だ。ピストンズに来るまでは十分なプレータイムを与えられなかったが、ウッドにとっては現在のピストンズの状況がチャンスとなった。

ブレイク・グリフィン、レジー・ジャクソン、ルーク・ケナードがケガで戦線を離脱、デリック・ローズもケガでコンスタントに試合に出られない。そして、球団はトレードデッドライン前にドラモンドをトレードで放出し、ジャクソンやマーキーフ・モリスもチームを離れた。

突然ブレイクスルーしたウッドだが、彼の活躍は決して偶然ではない。身長208cm、ウイングスパン221cmとサイズに恵まれ、スキルも身体能力も高い。シュートリリースが速く、ジャンプシュートが不調の時はポストアップでカバーできる。ディフェンダーとしても、ウッドほどのサイズでクリス・ポールとスイッチでマッチアップできる選手はほとんどいない。

ウッドがこれまで全く注目されてこなかったのはパワー不足が原因だった。ブランドン・イングラムやヤニス・アデトクンボもキャリア当初は細身でパワー不足が指摘されていた。2人のように契約が保証されていなかったウッドをNBAで戦える身体になるまで待ってくれる球団はなかった。

突如スターダムにのし上がったウッドは今年の夏フリーエージェントになる。ピストンズはサラリーキャップに余裕があるためウッドとの契約を強く希望するはずだ。しかし、同じようにサラリーキャップに余裕があり、チームの再建を図っているホーネッツやホークス、ニックスなども獲得に参加してくる可能性が高い。

無名の選手からシーズンオフで最も注目されるフリーエージェントの1人へ。ウッドのシンデレラストーリーはまだ始まったばかりだ。