文=丸山素行 写真=B.LEAGUE、野口岳彦

球宴は「笑いのほうで身体を張っていきたい」

12月4日、Bリーグは「オールスターゲーム2018」に先駆けメディア&ファンイベントを実施した。『B.WHITE』のスターティングメンバーに選出された張本天傑も登場し、『B.WHITE』のチームメートである篠山竜青にスマホを向けられると『変顔』で応えていた。

「こんなに票が入っているとは思っていなかったのでビックリしています。出場するからには自分の役割に徹して盛り上げて、たくさんの笑顔を熊本に届けたい」と張本は意気込む。

「富樫(勇樹)さん、(田中)大貴とか比江島(慎)さんと魅せてくれる選手がいるので、自分は何かしらプレー中に面白いことが起きればいいなと思っています」と、自ら『脇役』を受け入れたが、それでも「オールスターでは一人でも多くの人が笑ってくれるように、笑いで身体を張っていきたいと思います」と公言したので要注目だ。

名古屋Dの移籍が転機に「試合に出てナンボ」

その張本は昨シーズンに引き続き2年連続でのオールスター出場。それだけファンに認められているということだが、「そんなに差し入れが増えてる感じもないですし(笑)」とスターの実感はあまりないらしい。それでも本拠地の名古屋ではファンから声を掛けられる機会が増えたことを実感しており、スターへの階段を一歩ずつ上っている。

名古屋Dへの移籍はキャリアの転機となった。NBL時代はトヨタ自動車アルバルクに所属していたが、タレント揃いのチームでプレータイムが伸びずに悩んでいた。Bリーグ開幕を控えた昨年夏に移籍を選択。名古屋Dではエースとして活躍し、日本代表に定着するに至った。

「いくら練習をしても試合でしか積めない経験があるので、個人的には試合に出てナンボだと思っています。そこはやっぱり名古屋に移籍してから大きく感じたところです」

プレータイムの増加に比例しスタッツも向上した。試合経験の乏しさから「ガチガチで試合に入って、頭が真っ白な状態の時もあった」と過去を振り返るが、「今はそんなことは全くなく、何をすべきかを常に考えています。そこは大きく変わったところです。余裕が出てきたなと思います」と自信を手にしている。

「ドルフィンズでやることがたくさんある」

その名古屋Dは今シーズンここまで7勝12敗と負けが先行している。破壊力抜群の攻撃力を有しているものの、リーグワースト2のディフェンスが足を引っ張っている状況だ。特にディフェンスは、それぞれがチームルールを理解し、連携を取るまでには時間が必要だ。張本は今シーズン常に日本代表に選ばれており、チーム練習に満足に参加できないギャップに直面している。

「一緒に練習もできておらず、イマイチ合わないところはあります。ドルフィンズのシステムの中で自分のスタイルをどう生かせるかというのを、まだつかみきれていません。ガラッと変わったチームなので、今も模索中です」

だが、それはチームの伸びしろと見ることもできるはずだ。「チームの完成度はまだ100%に達していないので、それがクリアになれば先が見えてきます。まだまだドルフィンズでやることがたくさんあるので」と張本も今後の巻き返しを誓った。

オールスターゲームは1月14日。それまでに最低でも勝率を5割に戻しておきたいところだ。そのためにはスクリーンと笑いの両方で身体を張る、張本のパフォーマンスがカギを握っている。