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完成形を探るチームにとっては勝利が一番重要なこと

ウォリアーズやロケッツのように3ポイントシュート中心のスタイルが浸透している現代のNBAにおいては、ハイスコアリングが当たり前のようになり始めている。しかし、12月3日にチェサピーク・エナジー・アリーナで行なわれたサンダーvsスパーズは、そんなトレンドとは真逆の試合だった。

スコアは90-87。勝利したサンダーのフィールドゴール成功率が上がらず、87本中37本成功の42.5%に終わったことも要因の一つだが、守備でスパーズのフィールドゴール成功率を76本中31本成功の40.8%に抑えた影響もあったと言える。

22得点10リバウンド10アシスト、今シーズン7回目のトリプル・ダブルでチームを引っ張ったラッセル・ウェストブルックは、「勝利は当たり前の結果ではない」と前置きした上で、守備の重要性についてこう続けた。「今日はショットを外してしまった。普段なら決めているようなシュートも距離が合わなかった。それでも守備が機能すれば、こちらが点を取れなくても、相手も取れない」

ウェストブルックに続く得点源であるポール・ジョージはわずか8得点に終わったが、ディフェンスで勝利に貢献。「今日は良い守備ができた」と試合を振り返っている。

「今のNBAにしてはロースコアな試合になったけど、満足している。リム周辺で点が取れなくて、オープンな3ポイントショットも結構外してしまった。でも、今日のような試合に勝つことも重要だ」

スパーズは、ラマーカス・オルドリッジ、ルディ・ゲイ、トニー・パーカーが欠場し、ベンチにいたマヌ・ジノビリも休養のため1分も出場時間を与えられなかった。中心選手不在のチームが相手だっただけに、サンダーが勝って当然と言われればそうかもしれない。

大幅にメンバーが変わったチームも、公式戦20試合を過ぎてケミストリーが出来上がりつつある中、サンダーはまだ新ビッグ3(ウェストブルック、ジョージ、カーメロ・アンソニー)中心のスタイルが完成していない。今の彼らに求められるのは勝利だ。仮に主力不在のスパーズが相手でも、きっちり接戦をモノにしたという事実が重要なのだ。

勝つ難しさを知っているからこそ、ウェストブルックも「勝利は当たり前ではない」と語ったのではないだろうか。

サンダーは、12月1日のティンバーウルブズ戦も4点差(111-107)以内の接戦を制し、スパーズとの試合でも1ポゼッションを守り抜いて2連勝をマークした。ロケッツと対戦するクリスマスゲームまでは下位との対戦が続くため、ここで勢いに乗りたいところだ。