20cm以上のミスマッチにも適応、B1撃破の原動力となった秋田のルーキー中山拓哉

2017/11/26
Bリーグ&国内
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文・写真=鈴木栄一

『地元凱旋』ゲームの週末「より頑張らなければ」

11月25日、秋田ノーザンハピネッツはオールジャパン3次ラウンドの初戦にてB1の富山グラウジーズ相手に、試合残り0秒3で勝ち越す劇的な勝利を挙げた。このアップセットに大きく貢献したのが中山拓哉で、14得点5アシスト2リバンドに加え、何と言っても6スティールを挙げたのが光った。

この試合、秋田はB1の富山を相手にしても、普段のリーグ戦と同じ前から激しくプレッシャーを仕掛けていくスタイルで臨んだ。その中で中山のスティール量産からの速攻に、スピードとコンタクトの強さを生かしたドライブはチームに大きな勢いを与えた。

「今年初のB1チームとの戦いで絶対に勝ってやろうという思いがあり、いつも以上に気持ちが高まっていました。アグレッシブにやらないと勝てないので、どんどんディフェンスから仕掛けていこうとハーフタイムで言われました。スティールから速攻につながった分、得点が入ったのでそこは良かったと思います」

このように試合を振り返る中山だが、彼の貢献において忘れてはならないのが富山のドリュー・ヴァイニーにマッチアップする機会が多かったことだ。これは「インサイド主体ではなく、アウトサイドプレーヤーなので、僕や白濱さんがつこうという指示でした」と語るように、外角シュートを得意とするヴァイニー対策として外国籍選手ではなく日本人選手をつける作戦だ。

アグレッシブな守備でヴァイニーを封じ込む

とはいえ、204cm102kgのヴァイニーに対し、中山は182cm82kgと一回り以上のサイズの違いがある。だが、このミスマッチの中でも中山は相手のパワープレーに押し負けずに奮闘し、アウトサイドでは積極的にプレッシャーをかけて3ポイントシュートの試投数を1本に抑えた。その結果として、ヴァイニーは15得点と平凡な数字に終わるとともに、「常にスティールを狙っていますが、相手が油断しているなと感じた時は本当にアグレッシブにいこうと思っていました」という中山の仕掛けもあって4ターンオーバーを喫している。

ヴァイニーとのマッチアップはサイズの違いからいって、相当にタフな戦いであったに違いない。しかし、中山にそういった思いはなかったようだ。むしろ「B1の選手は身体も強いので、コンタクトしてもファウルにならない。それがスティールにつながったと思います。特にヴァイニー選手とマッチアップでは、激しくぶつかっていってもファウルも取られなかったので、それはやりやすかった」と、持ち味であるコンタクトの強さをより生かせる守備ができたと振り返っている。

「ここがゴールではない。どんどん挑戦したい」

ちなみに東海大相模高校、東海大学出身の中山にとって、今回の試合会場である平塚は地元といえる場所。「家族、友達が見に来てくれていたので、より頑張らなければという思いがありました」という『地元凱旋』ゲームで、これ以上ないパフォーマンスを披露できた。

B2より一段階上であるB1のサイズに難なく対応できるB1仕様のフィジカルを持っていることを証明した中山。「ここがゴールではない。どんどん挑戦していきたい」と語る彼が、B1でも有数のタレント集団である川崎ブレイブサンダースのガード、フォワード陣に対しても引き続き力強いプレーを見せられるのか楽しみだ。