レブロン・ジェームズ

「血と汗と涙を流し、傷つき、それでも立ち上がった」

1月31日、レイカーズは、コービー・ブライアントの死から初めての試合を、ステイプルズ・センターで行った。

トレイルブレイザーズとの試合開始前には追悼式が執り行われ、レブロン・ジェームズがコートの中央に立ち、ファンに向けてメッセージを発信した。

ヘリコプター墜落事故による犠牲者全員の名前を読み上げたレブロンは、ポケットから一枚の原稿を取り出したが、「念のために準備してきたけれど、こんなものを読んでしまったら、レイカーネイションのみんなにとっても何の意味もない。だから、思うままをしゃべらせてもらう」と告げて、ゆっくりと語り始めた。

「真っ先に思い浮かぶ存在は、家族だ。この会場にいる全員が、悲しみに打ちひしがれている。とても辛い思いをしている。こういう状況を乗り越えるには、家族と寄り添い合うこと。日曜から今日まで、もっと言えば昨シーズンに僕がここに来る前からも、レイカーネイションが家族のように一致団結した存在だという話は聞いていた。選手、コーチ、スタッフ、全員が本当に家族のような存在で、それは僕がこの1週間で目にしてきたことだ」

「そのうち、コービーのメモリアルを設ける日が来る。でも僕は、今日という日を記念日だと思っている。20年もの間、血と汗と涙を流し、傷つき、それでも立ち上がり、休み、偉大な存在になろうとした彼のすべてを称える記念日だ。今夜、18歳でリーグに入り、38歳で現役を引退し、それからの3年間は最高の父親だった人物の功績を僕たちは称える。今夜は、そういう記念日だ」

「コービーは、自分にとって兄のような存在だった。高校時代から彼を見てきて、18歳でプロになって、近くで彼を見てきた。これまでの彼との対戦では、お互いに勝ちたいという思い、偉大な選手になりたいという気持ちを示してきたと思う。今この場に自分がいることには何か意味があるんだろう。僕は、これからもチームメートと彼が遺してくれたものを伝え続けたい。今シーズンだけではなくて、できるだけ長く、僕たちが愛するバスケットボールをプレーできる限り。これこそ、コービー・ブライアントが望むこと。コービーの言葉を引用するなら、『マンバ・アウト』なのかもしれない。でも僕たちならこう言う。『あなたのことは一生忘れない』と。これからも側にいてもらいたい、ブラザー」

試合はティップアップ直後に、それぞれコービーの背番号の24と8を意味して、レイカーズが24秒バイオレーション、ブレイザーズが8秒バイオレーションを故意に行ってからスタートした。