制作=スタンダード編集部

大型補強で一躍、注目チームの筆頭となった琉球ゴールデンキングス。地元出身で司令塔かつキャプテンとしてチームをけん引する岸本隆一に、日本代表のスコアラー古川孝敏、佐々ヘッドコーチとは学生時代からの付き合いで参謀としても楽しみな石崎巧。チームのキーマンたちに今季の意気込みを聞いた。

「新加入の面々には、びっくりしました」(岸本)

――昨季からの残留組みである岸本選手にとって、今オフの話題となった大型補強は、率直にどんな感想でしたか。

岸本 周りの人から、「どうなってるの?」とよく聞かれましたが、「俺が聞きたいよ」と思っていました。実際にわかったときは、正直に言ってびっくりしましたし、もっと危機感を持たないと、普通に試合に出ることすらも難しいと感じました。

――新加入の石崎選手、古川選手ですが、琉球への移籍を決めた理由を教えてください。

石崎 単純に大学の同級生である佐々ヘッドコーチとの関係です。特に移籍する気持ちもそこまでなかったですが、ヘッドコーチから声をかけられたことが大きかったです。

古川 僕はここでバスケットボールをやることが自分の成長になると思ったんです。新しいメンバーが入る中、ヘッドコーチの話も魅力的でした。そして多くのファンの方と一体となっているこのチームでやりたいと感じました。

――これまで接点がなかった岸本選手と、実際に会ってみてのお 2人の印象はいかがですか。

古川 思ったよりもあんまりしゃべらないなと……。

石崎 ちゃんとふざけられるので、よかったです。あとテレビの仕事にすっごいこなれていて、将来はそういう方向を見すえているのかと思いました。

岸本 そういうのはまったくないです(笑)。昨季、本当にいろいろとメディアに出させてもらったことで鍛えられたんです。

――岸本選手をはじめ沖縄出身の選手たちには、沖縄ならではの独特な雰囲気を感じることはありますか。

石崎 僕が知っている沖縄の選手は、独特というかマイペース。他の人が何を言っても、そこまで影響を受けない。でも今の若い子はマイペースですが、僕の世代の人たちとはちょっと違う。岸本もそうですけど、チームワークをより大切にしている感じですね。

――今度は岸本選手から見たお2人の印象を教えてください。

岸本 石崎さんはイメージ通りです。「沖縄の人はマイペース」ってよく言えるなと思いました(笑)。古川さんは思っていたよりもいじられていて、僕もそこはちょいちょい出していこうと。「もっと俺についてこい」的な兄貴分的なキャラだと思っていました。

石崎 今まで、そういうことないよね。

古川 そうですね。上の世代だけでなく、下の世代からもどこからでもいじられています(笑)。

「石崎さんは本当に変わりました(笑)」(古川)

――石崎選手と古川選手は東海大学時代からの付き合いとなります。当時と比べてお互いに変わりましたか。

石崎 古川は大学のときからこんな感じです。岸本が兄貴的なキャラというイメージを抱いていたのは不思議な感覚です。

古川 石崎さんは、昔に比べると本当に変わりました。かつてはこんなんじゃなかったんです。大学の時は寡黙な感じで、周りと接しないような……。どう言ったらいいのか難しいですが、ドイツから帰ってきたあたりから様子がおかしくなりましたね。それはもちろん悪い意味ではないです(笑)。

――石崎選手、古川選手は、佐々ヘッドコーチとも大学時代からのつながりですが、彼の変化を感じる部分はありますか。

石崎 佐々はちょっと丸くなりましたね。いろいろな経験をする中で、許容範囲が増えました。僕が言うのもあれですが、いろいろなバスケの話をしていく中で、当時は互いにちょっと潔癖性なところがありました。今はチームをよくするために、いい方に変わったというところはあります。

古川 同感です。大学時代はとがっていました(笑)。

石崎 僕は同級生でしたけど、古川のように下の世代の選手たちは、厳しい接し方をされていたと思います。

古川 愛のある厳しさでしたよ。

――岸本選手は、佐々ヘッドコーチにどんなイメージを持っていましたか。

岸本 (栃木で佐々と一緒だった)遠藤(祐亮)さんが大学の先輩で、いろいろと聞いていたので、会う前はめっちゃ構えていました。実際に会うと、そこまできついと思うことはなかったです。

――今季、多くの選手が加入しました。チームワークを高めるために、コート外でも何かを企画したりしていますか。

岸本 そうですね。これからあればいいなと。

古川 やる気ないでしょ……。

岸本 でも、古川さんが来る前、みんなで飲みに行きましたよね。

古川 そういう言い方は、本当によくないって(笑)。

石崎 まず幹事は最年少の津山尚大がやってくれるので、そこで小手調べしてから真打ちのキャプテン(岸本)が出ていきます(笑)。

「この充実した環境を楽しみたい」(石崎)

――大きな注目を集めていることについては どのように感じていますか。

岸本 新しいメンバーが入って、雰囲気もいい意味で変わりました。前からいたメンバーもよりチャレンジできています。西地区は絶対に取る! 全体を通しても勝率1位を狙っていかなければいけないメンバーだと思っています。

石崎 どういう状況でも目の前の相手に勝ちたい。今季に限って言えば、佐々がヘッドコーチになりました。彼のコーチングの能力について、信頼していると言うのは気持ち悪いですが(笑)、信用していますし、成功したいですね。その可能性は高いと思っています。

古川 常に勝ちたいですが、結果ばかりを追い求めすぎて、内容をおろそかにしてはいけません。日々の練習など過程を大事にしていきたいです。

――最後にシーズンへ向けて意気込みをお願いします。

岸本 もちろん上位を目指していますが、開幕から一番成長していけるチームになります。そのためには妥協せずにみんなで同じ方向を向いていくことです。

石崎 チャンピオンを目指していきますが、まずはこの充実した環境を楽しみたい。チームのために、自分に何ができるのかを突き詰めていきます。

古川 目標はもちろんチャンピオンです。そしてファンの方はもちろん、沖縄全体で優勝を目指していきたいです。

※『Bリーグ選手名鑑』より


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