明成

山﨑一渉はダブル・ダブルの活躍

ウインターカップは大会3日目。明成(宮城)は東海大学付属諏訪(長野)を104-78で下した。

明成が2桁のリードを奪うも、東海大学付属諏訪がゾーンプレスを仕掛けて逆転に成功する激しい展開。それでも明成は動じることなく、ハーフコートオフェンスでは素早くパスを回し、スクリーンアウトからのリバウンドという基礎を徹底して挽回し、前半を44-38とリードする。

そして後半になると山﨑一渉が期待に応える。リバウンドを取ってはセカンドチャンスをモノにし、3ポイントシュート、ミドルと多彩な得点能力を発揮。この試合で25得点16リバウンドを記録した1年生プレーヤーがオフェンスを引っ張ることで、明成がリードを広げた。

ディフェンスでも東海大学付属諏訪のエース黒川虎徹に対して木村拓郎がフェイスガードで張り付き、リズムを狂わせる。タフショットを打たせてはリバウンドを取り速攻へ繋げて、第3クォーター終了時点で72-50と大量リードを作ると、その後も主導権を渡すことなく勝利した。

東海大学付属諏訪

「全国の大舞台で初めてフェイスガードされた」

敗れた東海大学付属諏訪の入野貴幸監督は、黒川がフェイスガードされたのは初めてだったと試合後に明かした。

「最初に虎徹に対して3年生の木村が来ることは想定内でした。もし自分が他チームの監督だったら虎徹にはフェイスガードをすると、3年間ずっと思っていたんです。だけど、3年間一度もされなかったんですよ。なのに最後の最後で久夫先生がやってきました。想定はしていたけど、やられることがなかったから、この全国の大舞台で初めての体験になってしまいました。そこに対する練習ができていなかったのは私の責任です」

「簡単なレイアップを決めきるとか、肝心なところのシュート力でも大きな差が出たので、これを追求してやっていかないといけない」と、完敗を認めた。

エースとしてチームを引っ張ってきた黒川は「フェイスガードに慣れていなくて、その中でも自分が得点を決めないと思っていたんですけど……」と、涙で言葉が続かない。

それでも3年間の集大成となるウインターカップを終えて「入学した時から入野先生には自由にプレーをさせてもらいました。このチームのエースとしてやってこれたことは良かったです」と、高校バスケの3年間を振り返った。

勝利した明成は明日、船橋市立船橋(千葉)と対戦する。