ラッセル・ウェストブルック

ファンとの罵り合いは法廷闘争へと発展

ジャズからホームアリーナへの生涯出入り禁止を通告されたファンが、ラッセル・ウェストブルックと球団を提訴した。1億ドル(約110億円)の損害賠償と公式な謝罪を求めている。

きっかけは2019年3月のサンダーvsジャズでの出来事だ。当時サンダー所属のウェストブルックは試合終了間近、スタンドにいたファンと突然激しい口論を始めた。彼が汚い言葉でファンにまくし立てている映像がSNSに投稿され、大きな波紋を呼んだ。ウェストブルックは、この常軌を逸したファンに対する言動によりNBAから2万5000ドルの罰金を課せられた。

しかし、ウェストブルックは、原告の一人が「昔みたいにひざまずけ」と言い放ったことが口論の原因だったとの声明を発表。この発言は人種差別的であり、こういったファンの行動に対して選手が守られていないのはおかしいというのがウェストブルックの主張だった。

原告は人種差別的な発言をしたことを否定。座ってひざをアイシングしろと言っただけで、汚い言葉は使っていないと主張している。事件の後、彼は家族も含めて様々な誹謗中傷を受け、日常生活に支障をきたしているという。

それでも原告はSNSに人種差別的な投稿をした過去があり、ジャズのドノバン・ミッチェルなど多くの選手がウェストブルックを支持したこと、NBAコミッショナーのアダム・シルバーとジャズのオーナーのゲイル・ミラーが再発防止に素早く動いたこと、そして何より不可解なほど高額な賠償金請求であることを考慮すれば、この主張が裁判で認められるとは思えない。ジャズは、法廷で球団の主張が正しいことを強く訴えていくとの声明を発表した。