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勝利への重責を他と分担できる環境で『復活』なるか

今夏にベテラン最低保証額でキャバリアーズと契約したデリック・ローズは、プレシーズンゲームで好プレーを披露している。10月6日にホームで行なわれたペイサーズ戦では、かつてのような切れ味鋭いプレーを披露し、15得点をマーク。本人もキャブズでのプレーを楽しめているとコメントするなど、充実した日々を送っているようだ。

そのローズを高く評価するのがチームメートのJR・スミスだ。ペイサーズ戦後、「ローズを獲得した金額を見たら、ほぼタダで獲得したようなもの。信じられないよ。ローズをほぼタダで獲得したんだから!」と語った。

確かに、ローズほどの選手と1年210万ドル(約2億4000万円)で契約できたのは、複数の大型契約を抱えるキャブズにとって大きい。だがもちろん、故障歴の多いローズが年間を通じて活躍できなければ、JRの賛辞に意味はないのだが、賭けとしては相当に有利と言える。

ローズにとって幸いなのは、チームのオフェンスの中心を一人で担う必要がない、ということ。ブルズ時代とは異なり、今のキャブズには、レブロン・ジェームズ、ドウェイン・ウェイド、ケビン・ラブ、アイザイア・トーマス、そしてJR・スミスと攻撃の柱になれる選手が多い。対戦相手は必然的にレブロンやラブへの意識が高まるため、ローズはダブルチームを受けることなく好きなようにプレーすることができる。

さらには、ジェイ・クラウダー、カイル・コーバーなどロールプレーヤーも実力者ばかり。これだけの面子が揃っている以上、出場時間を分担することも可能で、82試合という長丁場を戦い抜くには理想的な環境が整っている。

あとはケガなくシーズンを送れれば、久々に笑顔の絶えないローズが見られそうだ。ブルズファン、キャブズファンならずとも「あの頃のローズをもう一度」と願う人は多いだろう。今シーズン、ローズは小さなプレッシャーと大きな期待を抱いて開幕を迎えることになる。