カイリー・アービング

結果を出すことなく2年で退団、カイリーへの憤り

セルティックスのファンは、昨シーズンまで2年間在籍したカイリー・アービングに対して敵意をむき出しにしている。ボストンで行われたセルティックスvsネッツでは、アービングに対する罵声が飛び交い、会場の外にはアービングの写真に『Coward』(臆病者)と書かれたポスターも貼られていた。本人は肩のケガのため、ボストンに来ていなかったにもかかわらず、だ。

アービングとセルティックスの関係は決して良好とは言えなかった。2018-19シーズン開幕当初はチームと再契約すると約束していたが、祖父の死をきっかけにふさぎ込むようになった。

優勝経験のあるアービングには、若手の多いチームをリーダーとして引っ張ることも期待されたが、チームメートと距離を置くようになり、一部の若手選手と意思疎通がうまく行かず、リーダーシップを発揮できたとは言い難い。

在籍2年目の昨シーズン、1試合平均23.8得点、6.9アシストとスタッツは決して悪くなかったのだが、チームはカンファレンス・セミファイナルでバックス相手に敗退。アービングもなかなかベストコンディションでプレーできず、チームを引っ張ることができなかった。最終的にはフリーエージェントとなってセルティックスを離れることを決断。ネッツと4年契約を結んだ。

セルティックスのファンはNBAの中でも特に熱狂的なことで有名だ。よって今回のリアクションは想定内であった。しかし、アービング一人に昨シーズンの不振の全責任があるわけではない。セルティックスのダニー・エインジ球団社長とヘッドコーチのブラッド・スティーブンズは、アービングが選手としても人間としても素晴らしいと擁護したのだが、チームにすべてを捧げようとしなかったアービングに対するファンの憤りはまだ消えていない。

古巣ファンからの心ない対応を受けたアービングはインスタグラムにコメントを投稿、バスケットボールは単なる娯楽やコンテンツとしてではなく、愛情を示す場であるべきだと主張した。

3月には再びボストンでのセルティックスvsネッツがある。敵意はこの時までに消えているのだろうか。