文=丸山素行 写真=野口岳彦

昨シーズンの失敗を繰り返さないためには開幕戦がカギ

9月11日に行われた『Bリーグティップオフカンファレンス』、横浜ビー・コルセアーズからは川村卓也、滋賀レイクスターズからは並里成と、それぞれ『チームの顔』が参加した。

両チームともに昨シーズンは苦しい戦いを強いられた。滋賀は終盤戦に猛烈な追い上げを見せて残留圏内まで順位を上げ、横浜は入れ替え戦を勝って最後の最後で残留を決めている。川村は言う。「B1で一番結果を残せなかったのが僕ら横浜なので、昨年の結果をしっかりと頭に置いて、もっともっとハングリーな気持ちを持って開幕節から良いスタートが切れるようにしたい」

シーズンが進んでからエンジンがかかるのではキツい。開幕からスタートダッシュを決めて貯金を作ることが何より大事だと肝に銘じているのは並里も同じだろう。開幕戦で当たる両者は、ともに必勝の気迫でぶつかるはずだ。

川村と並里、強烈な個性を持つ彼らがプレーで引っ張ることで、チームが勝利に近づくのは間違いない。2人はかつて栃木ブレックスでチームメートだったこともあり、勝手知ったる間柄。並里が川村を「すごく勝負強い、どの距離からもシュートを打てる選手で、パスもうまいですし」と素直に称えると、川村は自身について「穴しかないでしょ。シュートを取ったら何も残らない、引退でしょ(笑)」とおどけた。

一方の川村は並里をこう評価する。「成のことは高校生から知っているし、公私ともに良さを見ているんですけど、特に昨シーズンはゲームコントロールの力がかなり長けてきたと思います。経験を積み重ねてチームを勝利に導くことのできるプレーヤーになってきているので、そういうところは相手にしたら怖いです」

もっとも、川村らしく並里の『穴』も冗談混じりで指摘している。「こいつは本当に琉球タイムなので、試合前後にちょっかいを出せばルーティーンを崩せます。そこは工夫していこうと思います(笑)」

2人がともにプレーしたのは2011年までの2年間。この2シーズンともJBLの得点王とベスト5に輝いた川村は31歳の円熟期を迎え、栃木ではプレータイム確保に苦労する日々を送った並里はbjリーグでキャリアを築き滋賀の中心選手へと成長した。互いに経験を積んだ個性派プレーヤーが開幕戦で激突する。どんなプレーを見せてくれるのかが楽しみだ。