八村塁

アイザイア・トーマスのアシストを受け勢いに乗る

ウィザーズがホームでピストンズと対戦した。ウィザーズではベテランのCJ・マイルズがケガから復帰し、アイザイア・トーマスが先発に回った効果が八村塁の得点ラッシュに繋がった。前回の試合ではボールも人も動かずオフェンスが停滞したが、アイザイア・トーマスが個人ではなくチームを動かすことを意識してゲームメーク。特に八村の動きを常に視界に入れていた。

マークを振り切る瞬間に出てきたパスを受けた八村が迷わずジャンプシュートを決め、バスケット・カウントのボーナススローも決めてウィザーズ最初の得点を記録する。続いてアイザイアとトーマス・ブライアントのピック&ロールで、ブライアントがダイブすることで空いた外のスペースに八村が走ると、アイザイアから絶妙なタイミングでパスが出る。左ウイングで受けた八村はシュートチェックにも動じず3ポイントシュートを決め、絶好のスタートを切った。

ドライブを警戒する相手をよく見てジャンプシュートを沈めた後は、ブラッドリー・ビールとのピック&ロールからアタック、ゴール下で待ち構えるアンドレ・ドラモンドのブロックを押し切る形でダンクを決め、試合開始から6分で得点を10まで伸ばし、チームに勢いを与えた。

この時点で個人2つとファウルがかさんで、早々にベンチに下がったが、第2クォーター途中に再び投入される。左コーナーで3ポイントシュートを打てるチャンスが早々にやって来たが、チェックが早いこと、すぐ横で待つビールが完全に空いていることを冷静に見て取り、ビールへとパスを送って3ポイントシュートをアシスト。さらにはオフェンスリバウンドを取ってセカンドチャンスをセット、イシュ・スミスとのピック&ロールでゴールへと走り込み、アリウープを叩き込む。この時点で54-37、ピストンズにタイムアウトを取らせる一撃だった。

後半開始早々には、相手が攻めきれずに組み立て直そうと戻すボールを長い腕を伸ばしてスティールも記録。ただ、個人4つ目のファウルをしてしまい、ベンチに戻ることになった。

得点源となっていた八村がファウルトラブルで使えない状況となったが、今日のウィザーズはセカンドユニットも含めてチーム全体が機能していた。アイザイア・トーマスによりポイントガードの仕事を任せることで負担が減ったビールが点を取ることに専念でき、CJ・マイルズも8カ月ぶりの実戦ながら12得点を記録、セカンドユニットを引っ張った。

八村はファウルトラブルに陥ったが、軽い笛へのアジャストに苦しんだのはピストンズも同じ。4日間で2度の遠征を含む3試合と過密日程の中、デリック・ローズを休養させた状況で、攻守の軸となるドラモンドのファウルがかさんでしまうと、本来の力は発揮できない。

前半はドラモンドの得点が続いて競った展開に持ち込んだが、後半になるとウィザーズは常にダブルチームで、時には3人目も囲い込むようにしてドラモンドに自由を与えない。第4クォーター開始から3分を過ぎたところでドラモンドが5つ目のファウルを犯して退場にリーチがかかる。この時点で13点差。ウィザーズが落ち着いた試合運びでリードを守り、105-99で勝利した。

これでウィザーズは連敗を3で止めて2勝4敗に。ホーム3連戦の最終戦で何とか本拠地での初勝利を挙げることができた。アイザイア・トーマスが先発で結果を出し、CJ・マイルズがセカンドユニットに厚みを加えたのも収穫。これから八村に注目する日本のファンにとっては、アイザイアとのコンビネーションの良さは大きな見どころになりそうだ。