戦術は変えず「遂行力を上げることを確認した」
アルバルク東京と京都ハンナリーズの第2戦。初戦を93-100と打ち合いの末に落としたA東京が前日から一転してディフェンスを引き締め、開幕6連勝と波に乗る京都を止めた。
ジュリアン・マブンガとデイヴィッド・サイモンの外国籍コンビに加えて198cmのパワーフォワード永吉佑也、190cmのポイントガード中村太地とサイズのある選手が揃う京都を相手にミスマッチを作ることができず、ドライブでのペイントタッチができないA東京のオフェンスは停滞。序盤からレイアップを落としたり速攻でミスが出たりとなかなかリズムに乗れない。
ただ、この試合でのA東京はディフェンスでとにかく耐えた。マブンガには積極的にトラップを仕掛けて2人で対応、高い位置から急にプレスを仕掛けたり、後ろから手を伸ばしてボールを狙ったりと、マブンガを気分良くプレーさせない対策を着実に遂行した。またサイモンに対してはペイントエリアから押し出し、まずはボールを受けさせない、次にはリングを向かせないディフェンスを徹底した。
このディフェンスのキーマンとなったのが、この試合がA東京でのデビュー戦となったケビン・ジョーンズだ。主にサイモンとマッチアップし、ゴール下でボールを持たせないポジション取りを徹底。ディフェンスに定評のある選手が、さっそくその真価を発揮した。
A東京の指揮官ルカ・パヴィチェヴィッチは、「守備は何も変えておらず、昨日の映像をチェックして、遂行できていなかったところの遂行力を上げることを確認した」と語る。京都のキーマンとなるマブンガに対して、1on1、ピック&ロール、ポストアップとすべてのパターンへ完璧なディフェンスを遂行した選手たちの働きを称えた。
マブンガとサイモンを早々に下げさせる完勝
第1戦のA東京は複数の選手が早い段階でファウルがかさみ、激しいディフェンスができなくなったことが敗因となっていた。その課題をこの試合では修正、激しく当たりつつ特定の選手にファウルが集中しないようコントロールした。
さらにジョーンズがファウルを狙いのシュートモーションを読んでマブンガを止めたり、アレックス・カークのショットブロックが飛び出したりとディフェンスでの好プレーが続く。こうしてオフェンスがうまく機能しないことでディフェンスの集中を欠いた京都の隙に乗じる形で、インサイドとアウトサイドのバランスの取れた攻めを展開。42-28と突き放して前半を終えた。
後半開始からターンオーバーを誘っての速攻2発、カークのセカンドチャンスポイントで7-0のラン。こうなると前日に40分間フル出場しているマブンガとサイモンは集中力を保てない。京都に良いプレーが出ても単発で、A東京のディフェンスばかりが目立つ展開が続いた。
第4クォーター残り5分、安藤誓哉がこの試合5本目の3ポイントシュートを決めて70-45としたところで京都がマブンガとサイモンを下げて勝負アリ。前日には100あった失点を53に抑えたA東京が前日のリベンジを果たしている。
ケビン・ジョーンズ、デビュー戦で大仕事
チーム一丸のディフェンスでつかんだ勝利だったが、中でもケビン・ジョーンズの働きは目立った。13得点10リバウンドとダブル・ダブルの活躍。だがそれ以上に、サイモンへのディフェンスが光った。ラスト5分でサイモンがベンチに下がるまで、ジョーンズがコートに立っていた約22分間、サイモンは無得点に終わっている。
それを伝えると「知らなかったよ!」と驚いたジョーンズだが、「素晴らしいオフェンス能力を持った選手だからすべてを守るのは難しいけど、今日は自分のベストを尽くして抑えることができた」と、自分のプレーには満足している様子。前日に100失点を喫しての敗戦で、デビュー戦としてはプレッシャーのかかる状況だったが、「琉球の時にもマッチアップして特長は分かっていて、昨日も37得点というハイパフォーマンスを見ていた。ミーティングでも相手のキーマンと見なされていたし、自分が付くと言われていたので準備はしていた」とジョーンズは言う。
シーズン途中の加入ですぐに活躍するのは大変に違いないが、「僕もエネルギー溢れるプレースタイルだし、ディフェンスからすべてが始まるというフィロソフィはA東京と同じものだ」と、チームへの順応にも自信を見せる。
ザック・バランスキーに続いて小島元基も離脱とケガ人続出の状況だが、ルカヘッドコーチは「それでも自分たちのスタンダードは下げられない」と、ローテーションが苦しい中でもスタイルを曲げない。ケガ人が復帰するまで苦しい状況は続くが、新加入のジョーンズが早々に結果を出したことはA東京にとって明るいニュースとなった。
10月20日のB1 9試合の結果
富山67-82大阪
横浜76-63島根
新潟55-77北海道
三遠73-85SR渋谷
滋賀78-83名古屋D
琉球78-71秋田
宇都宮90-84三河
A東京81-53京都
千葉89-96川崎
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