神田前社長、退陣は「経営者としてのケジメ」
ライジングゼファーフクオカは今日、新たな代表取締役社長に藤野孝が就任したことを発表した。これに伴い、これまで代表取締役を務めていた神田康範が辞任および退職、取締役だった堀江貴文と麻生健が辞任したことも発表されている。
2年前まで青汁のキューサイ株式会社で代表取締役社長を務めていた藤野は、今回の就任に当たって、クラブを通して次のようなコメントを発表している。
「ライジングゼファーフクオカの未来を皆さまと一緒に作っていくことになりました。非常にワクワクするとともに、重い責任を感じております。私自身はキューサイ株式会社に30年勤務しており、取締役には20年、うち社長として10年従事しておりましたのでライジングゼファーフクオカの経営に関してもその経験を経営強化の面で活かせると考えております」
「前期の決算を終えた結果、純資産がマイナスになってしまうことから、今シーズンはB1申請ができない状況でございますので、これを機会と捉え経営基盤とチーム強化に努めて参ります。地元を中心としたオーナー陣と経営陣でしっかりと地域に向き合い、福岡の地になくてはならない、誇りあふれるプロバスケットボールクラブを作っていきたいと強く感じております」
また、今回の経営体制変更によりクラブを離れた神田は、自身のツイッターを通してこのようにコメントをしている。
「4月に経営危機に陥り皆様のご協力のお陰で何とか存続はできたものの、どこかのタイミングではケジメを付ける必要があると考えておりました。このタイミングになったのは、仲西GMの尽力によりチームも整い、新経営陣や新オーナーも揃い、経済不安も解消し、また少し時間がかかると思いますがこの体制であればいつかB1の景色を見る事が出来ると確信できたからです。クラブの発展を見届けたい想いはあるものの、新シーズンが始まる前に経営者としてのケジメを付ける事にしました」
福岡はBリーグ開幕シーズンを迎えたB3から2年連続で昇格を果たし、昨シーズンに初めてB1に挑んだ。なかなか勝てずに、ここから残留争いの勝負どころというシーズン終盤のタイミングで、経営難を理由に2019-20シーズンのB1ライセンスが交付されないことが明らかになり、チームはハシゴを外された結果になった。クラブ破綻の危機ま免れたものの、ここまで新しい経営体制も決まらず、選手の多くが失意のうちにクラブを去ることになった。
クラブ経営が安定しないようでは、選手がバスケットに集中するのは難しい。一度失ってしまった信頼を取り戻すことは簡単ではないが、バスケ王国である福岡のプロクラブが、新体制となってチームと経営の両面で再起することに期待したい。