運動量と機動力を武器にインサイドで飛躍する代表最年少の赤穂さくら「今回のチャンスをしっかりモノにしたい」

2017/07/15
日本代表
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文・写真=鈴木栄一

WJBL2位のリバウンドと正確なミドルシュートでアピール

トム・ホーバス新体制となって初の国際大会となるアジアカップのメンバーは、リオ五輪代表メンバーが中心となっているが、複数の若手選手が新たに加わっている。その中でも最年少となるのが21歳の赤穂さくらだ。渡嘉敷来夢がWNBAシアトル・ストームでのプレーを優先させることで不参加。また、「アジアカップの準決勝だったらプレーさせていました」(ホーバスHC)とベテランの高田真希が、大事を取って先週末に開催されたオランダとの強化試合を欠場した状況において、昨季WJBLでリーグ2位の10.1リバウンドを挙げた赤穂はインサイド要員として貴重な存在だ。

赤穂にとってフル代表での国際大会は2014年のアジア大会以来となる。しかし、この時のアジア大会は、若手を主体としたB代表と呼べるメンバー構成であった。それだけに、今回のアジアカップは彼女にとって、実質的には初のフル代表での戦いといっても過言ではないだろう。

8日の試合後、赤穂は「ノーマークのシュートを決め切れなかったのが今日の課題でした。ハーフタイムでトムさんにも言われましたが、前半は自分の中でも緊張している部分があり、後半は気持ちを切り替えて自分のやることをしっかりやろうと思いました」と総括。

また、試合会場が所属チームであるデンソーの地元、愛知県刈谷市であったことについて、「今回、チームのホームの刈谷での試合で、チームメートも見に来てくれていて心強かったです。地元で注目されて力むというより、顔見知りに会えて安心した部分がありました」と語っている。

「大﨑(佑圭)さんがスタートで出て、自分はつなぎとして使われています。メイさん(大﨑)たちが安心してベンチに戻れるようアグレッシブに攻めていかなければいけない。失敗を恐れないでどんどん攻めていくだけです」と自身の役割を語る赤穂だが、オフェンスにおいて大きな武器となるのはフリースローライン近辺から放つミドルシュート。本人も「あそこは自分が絶対に決めなければいけない位置だと思います」と、強いこだわりを持っている。

2020年の東京オリンピックに向けた挑戦のスタート

21歳と伸び盛りの彼女にとって、アメリカ、ヨーロッパでの遠征を含め2カ月以上に渡る代表活動は、様々な面でレベルアップのできる充実した日々となっている。「ディフェンスではメイさんと毎日マッチアップするなど、日本のトップの方たちの技やパワーを体感することができています。そういう面で、海外の選手を相手にしても負けないという自信が少しはついてきたかなと思います」

また、7月頭に行われた昨季の全米大学王者、サウスカロライナ大との練習試合も、同世代の相手ということで大きな刺激となった模様だ。「率直にうまい、レベルが高いと感じましたが、自分と同年代の大学生ということは意識していて、負けてられないと思いました。試合の時は、空回りした所もありましたが、ディフェンスについては手応えを感じた部分はありました」

今回のアジアカップが、フル代表としては事実上、初めての国際舞台となる赤穂だが、目標とする東京五輪出場へ前進していくためにも確固たる結果を残したいと意気込んでいる。

「東京五輪を目指していく上で、代表には続けて選ばれていきたい思いを持っています。今回は渡嘉敷さんのこともあって、もしかしたらチャンスがあるかもと見ていました。選ばれた時もトムさんから、今回、渡嘉敷さんがいないことからもチャンスと言われており、しっかりモノにしていきたいです」

184cmの身長は、センターとしては国際基準でいうと小柄な部類に入ってくる。しかし、「コートの中で誰よりも走り回って、マッチアップする選手を疲れさせるようにしたいです」と語る彼女は、日本の目指すスピード溢れるバスケットボールと相性抜群の走力と運動量を持っている。日本のゴール下を担う若き逸材が、絶好の機会をいかし国際舞台でどこまで躍動していけるか楽しみにしたい。