グレッグ・ポポビッチ

「日々お互いを知る努力をしている」

FIBAワールドカップ3連覇を目指すアメリカ代表は、オーストラリアで調整を続けている。

ここまでは相次ぐ選手の代表参加辞退、そしてチームケミストリーに関する不安ばかりが先行しているものの、彼らが優勝候補であることに変わりはない。

アメリカは、オーストラリアに滞在中、同じくワールドカップに出場する同国代表のブーマーズと2試合のエキシビションゲームを行う。

チームを預かるヘッドコーチのグレッグ・ポポビッチは、現地で取材に応じ、強豪オーストラリアの印象について「彼らは、とにかくフィジカルがタフ」と答えた。

「オフェンスを非常に上手に実行するチームだ。チーム内の関係性も良くて、連携も良い。それに経験も豊富だ。それはこれからも変わらないだろう。そういうチームだと思っている」

気になるアメリカ代表のケミストリーについて質問が及ぶと、ポポビッチは意思の疎通には時間がかかると主張した。

「今のところ、我々にできているのは、夕食を共にすることだけだ。そこまで一緒に過ごせていない。練習できる日数もそこまで多くないので、練習も重要だ。しかし、夕食を一緒に食べて、コート以外でも時間を共有して、お互いのこと、お互いの家族について知ろうとしている」

「我々は、NBAでの所属チームでのように、まだお互いの妻や、ガールフレンド、子供についてあまり知らない状態だ。ゆっくりとしたプロセスではあるが、日々お互いを知る努力をしている」

「携帯電話を持たずに夕食に行き、お互いに色々と話せるのは素晴らしいことだ。お互いのこと、どういう人生を送ってきたか、そういうことを話している。このチームは真新しいチームなわけで、ステップを飛ばさずにスタートさせないといけない。お互いについて学ばないといけない。この短期間で、できるだけお互いを知ろうとしている」

NBAでは百戦錬磨のポポビッチも、代表チームを指揮する難しさを実感している。しかし名将ポポビッチは「このチャレンジに興奮している」ともコメントした。

「このグループに適したやり方を、できるだけ早く見つけないといけない。誰がゴー・トゥ・ガイで、誰がどのオフェンスを一番理解しているのか、それにどういうタイプの守備が可能なチームになれるのかを把握しないといけない。それが分かれば、あとは練習あるのみだ」

「トレーニングキャンプとシーズンという時間が与えられるわけではなくて、トレーニングキャンプしかできない。だが、このチャレンジに興奮している。短期間で成し遂げないといけないので、集中して取り組まないといけない。面白いよ」

13選手を連れてオーストラリアに到着したアメリカ代表は、開催地の中国に向かう前にあと1人をカットし、ワールドカップに出場する最終ロスター12名を決める。