
「今シーズンの中で本当に貴重な1試合だった」
5月29日に『Bリーグアワードショー』が行われ、レギュラーシーズンで最大得点差を逆転して勝利したクラブに送られる『とけない、情熱。賞』をレバンガ北海道が受賞した。
この賞の対象となった試合は、10月12日に行われた広島ドラゴンフライズとの一戦。北海道は第1クォーターに6-29と圧倒されると、第2クォーター終盤には最大得点差となる32点のビハインドを背負った。しかし、ここから北海道は怒涛の追い上げを見せ、第4クォーター開始から残り5分11秒まで広島を無得点に抑えて逆転に成功。そこから一進一退の攻防が続き、残り7秒で北海道は1点ビハインドに。ジョン・ハーラーが残り時間が少ない中で放ったシュートはリングに弾かれるが、それをタップシュートで押し込み劇的ブザービーターショットで勝利に導いたのが、今回のアワードに登壇した市場脩斗だった。
市場は「たまたま入っただけです(笑)」と、その当時を思い返し謙遜。しかし、あの勝利がチームにとってのターニングポイントになったと続ける。「本当に運よく入ったっていう感じなので。ただ、勝利までの過程がチームとして成長していると感じた試合でした。あの試合からすごくチームの勢いも付いてケミストリーも生まれてきたと思うので、今シーズンの中で本当に貴重な1試合だったと思います」
その言葉通り、チームはその後、勝ち越しの道を進んでいく。クラブ史上初の12連勝、東地区首位奪取などリーグに大きなインパクトを与えた。ルーキーイヤーとして迎えた市場自身もレギュラーシーズンは全60試合に出場し、平均6.4得点、1.8アシストを記録して新人賞有力候補選手として名前が挙がる活躍を見せた。ポイントガードとしてゲームをコントロールしつつ、時にはタフな体勢からシュートをねじ込むなど、新人離れしたアグレッシブなプレーを披露。タフショットは指揮官の目に悪く映りやすいため、シュートを躊躇する選手も多い。どちらが正解とは言えないが、強引にシュートまで持ち込むことをよしとされるところに、彼の価値があり、ヘッドコーチとの信頼関係がうかがえる。
そして、このスタイルは小さい頃から変わっていないと市場は言う。「大学や高校だけでなく、小さい頃からアグレッシブに打ち切るプレーはやっていたので、それが今に繋がっていると思います。今もこのプレースタイルができる環境にいることは感謝したいですね。自分の仕事を遂行するために『自分がやってやる』という力強い気持ちが、あのタフショット(ブザービーター)を決めることに繋がりました」
新人賞は旧知のジャン・ローレンス・ハーパージュニアが受賞したが、それも来シーズンへのモチベーションとなっている。今の市場の胸の奥には、さらなる活躍をするための『とけない、情熱。』が宿っている「大学でもマッチアップしてきたので、おめでたいと思います。でも来シーズンは倒せるように、個人としてもやっていきたいです。来シーズンはポイントガードとしてまとめることが大事ですし、自分の平均得点も上げてチームに少しでも貢献できるようにしっかりと成長していきたいと思います」