OG・アヌノビー&ステフォン・キャッスル

異次元レベルのディフェンダーかつ攻めでも重責を担う

滅多に見られない『1勝3敗からの逆転』がファーストラウンドの2つのシリーズで起き、ケガによる離脱やスタミナ切れでの惨敗なども発生していった今年のプレーオフ。例年以上にタフであることが求められる今シーズンのプレーオフでファイナルにたどり着いたのはニックスとスパーズでした。

両チームの対戦といえばNBAカップのファイナルが思い起こされます。ニックスの勝因はOG・アヌノビーのディフェンスにありました。前半は身長差23cmのビクター・ウェンバニャマをマークして4得点に抑え込み、後半は起点を潰すためにポイントガードのディアロン・フォックスにマッチアップして逆転勝利に繋げました。

同じウイング相手のディフェンスは言うまでもなく、スピードのあるガードにも、サイズのあるビッグマンにもマッチアップできるアヌノビーのディフェンスはNBAの中でも突出しています。どんな相手でも抑え込み、マンマークでもオフボールでも貢献するディフェンス力は、ウェンバニャマとは異なる意味で異次元の存在です。

今シーズン、その異次元さに並び立つレベルでのディフェンスを見せたのが、スパーズのステフォン・キャッスルでした。このプレーオフでもシェイ・ギルジャス・アレクサンダーにシュートを打たせないようなプレッシャーを掛け続けただけでなく、自分よりも15kgも重いジュリアス・ランドル相手にフィジカルコンタクトで戦いました。スピード、シュート力、フィジカルと相手の特徴が異なっても関係なく、キャッスルが相手のキーマンに立ち向かうのがスパーズディフェンスの特徴です。

ファイナルではジェイレン・ブランソン相手のディフェンスが予想され、シュートモーションに入る前にフィジカルとスピードで止めることができるかがポイントとなります。ただし、スパーズがダブルチームで止めに行くことを選ぶ場合、キャッスルはヘルプサイドに回ることになり、アヌノビーと直接のマッチアップになるかもしれません。

このプレーオフでアヌノビーはトゥルーシューティング72.4%という異様な高確率で19.7得点を奪っており、オフェンス面でもニックスを引っ張っています。特にチームオフェンスが手詰まりになった時にアヌノビーがタフショットをねじ込むことが多く、スパーズはここを止めることが重要になります。

逆にアヌノビーがキャッスルにマッチアップしてくることも十分に考えられます。NBAカップの頃と違い、スパーズのオフェンスはフォックスよりもキャッスルが起点になることが多く、しかもスクリーナーになってウェンバニャマをフリーにする役割も担います。アヌノビーが起点としてのキャッスルを潰し、ウェンバニャマへのスイッチにも対応できる状況を作るのは、ニックスにとっては理にかなっています。

どんな相手でも守る異様なディフェンダーを擁しているのが両チーム共通の強みであり、マッチアップの変更で試合展開が大きく変わってきます。しかも、ともにオフェンスでも重要な仕事をしており、潰したい相手でもあります。アヌノビーとキャッスルの使い方がファイナルの行方を大きく動かしてきそうです。