岸本隆一

痛恨のファウルトラブルに「アジャストできる部分はやっぱりあった」

琉球ゴールデンキングスは、Bリーグファイナルゲーム2で長崎ヴェルカに60-66で敗れた。

琉球は立ち上がりから長崎の強度の高いディフェンスに苦しみ、サイズで上回るインサイドで思うように得点できなかった。それでもディフェンスで我慢することで、前半を僅差で終える。しかし、後半に入ると、琉球は長崎の圧力に屈し前半以上にボールムーブが停滞してタフショットばかりとなり、第3クォーターはわずか9得点と失速して大量リードを許してしまう。

第4クォーター終盤に驚異的な粘りを見せ、最大17点のビハインドを残り1分で6点にまで縮めた。さらに直後のポゼッションでスティールを奪い、岸本隆一が3ポイントシュートを狙うが決められず、万事休すとなった。

第3クォーターの大きな失速の要因となったのは、岸本のファウルトラブルだ。後半開始から約1分後、岸本は早くもこの試合4つ目のファウルを喫することで、ベンチに下がることを余儀なくされた。切れ味鋭いドライブで長崎のディフェンスを切り崩していた岸本がいないことで、琉球はズレを作ることができず、強引なオフェンスを繰り返してしまった。

岸本は25分55秒出場で11得点2リバウンド2スティールを記録。そして、彼の得失点がジャック・クーリーと並ぶチーム1位(タイ)の+12だったことが、岸本のファウルトラブルが与えた影響の大きさを物語っている。

岸本は「長崎さんのパフォーマンスが素晴らしく、単純に自分たちの力が及ばなかったと思います」と試合を総括すると、自身のファウルトラブルについてこう続ける。「ジャッジは変えられないですし、ファウルを吹かれる前にどういった傾向があったなど、自分でアジャストできる部分はやっぱりあったと思います。次の試合では、こういうことがないようにしたいです。もし、同じ展開になったとしても、ベンチでもコートでもその時にできる最善のことをやりたいです」

岸本隆一

「まぁ、甘くないなと純粋に思いました」

第4クォーター残り6分半で、琉球は41-58と大きく離されていた。敗戦濃厚と言えるこの時点で明後日のゲーム3に気持ちを切り替えてもおかしくはない。だが、琉球はここから岸本が積極的なアタックで牽引することで、あと一歩まで迫る見せ場を作った。

猛追の立役者となった岸本だが「ちょっと自分の中では、(一発で流れを変えようと)大振りしすぎたかなと思います」と、長距離砲に固執しすぎたと悔やむ。「あと一本、シュートが入れば展開は大きく変わったと思います。ただ、僕らがこういう展開で逆転できた試合は、もっと地道に2点を取りに行っていたことが多かったです。3ポイントばかりを狙ってしまったのはすごく反省です。できれば同じ展開にしたくはないですが、火曜日の試合で同じ状況になったらこの経験を生かしていきたいです」

ただ、集中力を切らさずに反撃した粘り強さは、レギュラーシーズンで苦しんでいた時期には見られなかったもので、岸本も手応えを得ている。そして何よりも、ファンに対する真摯な思いが、あきらめない琉球の土台になっていると続ける。

「この時思っていたのは、やっぱり今日しかファイナルを見に来られない方もいることです。『次があるからいいよ』という試合を僕らはできないです。ちょっと大袈裟な言い方かもしれないですけど、内容云々よりも大切なのは、お客さんに『この試合を見に来て良かった』と思ってもらうこと。最後に追い上げて会場が盛り上がり、何のために僕たちがこういう場所に立っているのか再確認する展開にできたことは良かったです」

今日で優勝を決められなかったことに「まぁ、甘くないなと純粋に思いました」と語る岸本は、次のメンタルでゲーム3を迎える。

「このメンバーで最後という言い方はできますが、正直、集大成とかはあまり思っていないです。なんか頭の中がお花畑的な思想みたいで嫌ですけど、もう1回試合ができることを自分たちだけでなく、見ている方も楽しみにしてくれればと思います。また、みんなでこういう舞台で試合ができるんだ、というマインドセットで臨みたいです」

これまで数多くの大舞台を経験してきた岸本が、最後に立ち返るのは基本中の基本である『バスケを楽しむ心』だ。この思いをチーム全員、そしてファンと共有して、しっかり体現することができれば、琉球の望む結果が自然とついてくるはずだ。