コーリー・ゲインズ

「相手が良い試合をしてくれて、テストを課してくれました」

9月4日からドイツで開幕する『FIBA女子バスケットボールワールドカップ2026』に出場する女子日本代表は5月16日、17日にラトビア代表と対戦し、第1戦に98-73、第2戦に76-69でそれぞれ勝利した。

第1戦はプレッシャーディフェンスからターンオーバーを誘い、ファストブレイクからの得点を量産して圧勝。第2戦は日本のディフェンスをラトビアにアジャストされ、前掛かりになったところでイージーシュートを多く沈められ、第1クォーターに2桁ビハインドを背負うなど苦戦した。それでも第4クォーターには田中こころ、髙田真希、渡嘉敷来夢の3ポイントシュートが立て続けに決まり、日本の武器が機能したことで接戦を制した。

日本はこの試合の前に実施された強化合宿より、激しいフルコートディフェンスとリバウンドに焦点を絞ってトレーニングを重ねてきた。第1戦はいずれも結果を出し、第2戦はディフェンスに新たな課題が見つかり、リバウンドは目標値としていた「35」に1本およばなかったものの大型選手たちを相手に奮戦。実りの多い2日間となった。

チームを率いるコーリー・ゲインズヘッドコーチは、2試合を通しての総括を次のように述べた。「まずはワールドカップ予選からの改善を見たかったです。特にリバウンドとハイプレッシャーディフェンスを仕掛けたいと思っていました。素晴らしい学びの機会となりました。若い選手たちをプレーさせ、様々な選手の組み合わせを試すことができました。ベテラン選手たちも少し出場して彼女たちとプレーしましたし、私が見たかった多くの選手たちをじっくり見ることができました」

「勝つことから学ぶこともあれば、負けることから学ぶこともあります。勝つことから学ぶほうが良いですし、私たちが達成すべきことは達成できたと思います。いくつかの課題が見えましたし、違った試みもできました。全体としては非常に良かったと思います」

第2戦は終始劣勢を強いられたが、その経験ができたことも大きい。指揮官は言う。「相手は第1クォーターに私たちを倒そうという明確な目的と意欲を持って入ってきました。私たちが目を覚ましたのは第2クォーターになってからで、相手はすでに自信を手に入れていました。『自分たちも勝てる』と思われてしまったのです」

「ただ、私たちのペースやプレースタイル、ディフェンスのやり方が機能すれば、最終的に相手を消耗させられることは分かっていました。そして実際に消耗し、勝つことができました。相手がかなり良い試合をしてくれて、私たちにテストを課してくれました。私たちが望むのはこういうことです。後ではなく今、テストされる必要があります。そうすることで、私たちは成長し学んでいけるのです」

コーリー・ゲインズ

「もっとペイントタッチを増やす必要があります」

今回のロスターは中堅組が少なく、ベテラン組と若手組中心の布陣となった。ゲインズヘッドコーチは世代交代も視野に入れ、ワールドカップを戦うメンバーを決めていく方針を示した。

「私たちには一線を退きつつあるベテラン選手たちがいます。年齢による衰えには誰も勝てず、常に時間が勝利するのです。ですから、若い選手たちをシステムに組み込み始め、プレースタイルを理解させています。すべてにおいて、もっと快適にプレーできるようにする必要があり、最初は居心地の悪さを感じさせ、そこから学んで慣れていってほしいのです。選手たちと一緒に過ごせる時間は限られているので簡単ではありませんが、だからこそ、できるだけ多くの選手を見る必要があります。今、私たちはまさにそれを行っているところです」

そして、ワールドカップで上位を目指すためには「もっとペイントタッチを増やす必要があります」と言い、今後求められるスキルについても言及した。「今日(第2戦)3ポイントの確率は41.2%とまずまずでしたが、常に今日のようにシュートが決まるわけではありません。今の私たちはペイント内でのポストプレーや、そこから得点に繋げる動きがあまり多くありません。なぜなら、私たちはほとんどのチームよりもサイズが小さく、相手にはより大きな選手がいるからです」

「私たちはペイントタッチに頼る必要があります。ペイントタッチを仕掛けることで相手のディフェンスを内側に引きつけ、外へキックアウトしてシュートを狙ったり、バックカットやスライドカットに繋げたりするのです。ですから、ペイント内に入ってコートを広げてくれる選手、ペイント内に入ってチャンスを作り出せる選手を探しています。それは私たちが求めている要素で、常に必要です」

海外の高さや強さを経験しつつ、新たな戦術や選手を試して接戦を勝ち切る。意味のある強化試合となったことは間違いない。今後のサバイバルレースも含め、強化を進める女子日本代表に注目だ。