「日本のバスケが成長しなきゃいけないタイミング」
7月18日、バスケットボールの男子日本代表を指揮するフリオ・ラマスが会見を行った。
ウィザーズの八村塁を筆頭に、日本人選手4名がNBAサマーリーグに出場したことについて「快挙」と話したラマスは、彼らのプレーをこう評価する。「(渡邊)雄太は昨年のGリーグの経験を生かして成長を見せ、本契約を勝ち取ろうと結果を残した。塁は今まで大学のリーグで戦ってきて、初めてプロでプレーした。順応する能力が高く、自分が秀でていることを示した。(馬場)雄大をこの3年間見ているが、毎年成長して、まるで別のプレーヤーのようになっている。プレーもそうだが、チームに溶け込んでいたね。マコ(比江島慎)は苦戦したが、世界のトッププレーヤーが集まった中で競争する大きな経験をしたよ」
八村がNBAドラフト1巡目指名を受け、テレビでバスケの話題が連日放送されるなど、日本のバスケは過去最大の盛り上がりを見せている。ラマスヘッドコーチもそれを実感し「現在は日本バスケが成長しなきゃいけないタイミング」とコメントした。
「ワールドカップも21年ぶりに自力出場することになり、オリンピックの出場も決まって、良い流れが来ている。皆からの期待も感じている。ここから全員が成長していかなきゃいけない」
それでも、ラマスコーチは過度な期待は禁物と釘を刺すことも忘れなかった。
「我々は今後の活躍が期待されるチームだ。ただ間違っていけないのはワールドカップにしろ、オリンピックにしろ、すぐに結果が出せるほど簡単な世界ではないということ。日本は過去に国際舞台で5勝しかしたことがなく、ヨーロッパ組に勝利したことがない。これから向かう戦いがどれだけ厳しいかを表している。我々は挑戦と考えて、初の快挙を成し遂げたい」
ジョーンズカップから5選手がA代表へ
日本は国際強化試合を経てワールドカップを戦う。来年の夏には東京オリンピックが待ち受けている。オリンピックへの期待が高まることは必然だが、ラマスコーチはワールドカップに集中することが必要と言う。
「オリンピックへの出場は素晴らしい経験になるが、まずは目の前のワールドカップだ。国際強化試合も含めてオリンピックに向けた準備だが、今はワールドカップのことしか考えていない」
また、ワールドカップに向けた選手選考についても言及し、ジョーンズカップを戦っている若手メンバーをA代表に招集することを明言した。
「ワールドカップに向けた合宿には18人を招集しようと思っている。その18人中5人はジョーンズカップのメンバー。その5人中2人はジョーンズカップの4試合で結果を残して、自力で勝ち取ったと考えていい。サイズのアップグレードは今後も必要になってくる」
ラマスコーチは1998年、34歳の時に初めてワールドカップを経験し今回が3度目となる。母国アルゼンチンと日本では、バスケの歴史も選手の体格も違う。だからこそ、「経験と知識をうまくこのチームに生かせるように伝えることも大事だが、どこに進むのか道を照らしてあげたい」と話し、「他国のコピーをするのではなく、我々の道を行きたい」と、日本に特化したチーム作りを目指すと語る。その手腕に期待したい。