
戦線復帰に自信「僕がいれば優勝を狙える」
デイミアン・リラードは昨シーズンのプレーオフでアキレス腱を断裂した。深部静脈血栓症からの復帰を急いだ無理が祟っての大ケガで、バックスから解雇された彼は古巣のトレイルブレイザーズに出戻り、リハビリを続けている。
今シーズンはまだ1試合も出場しておらず、復帰のスケジュールも立っていない彼がNBAオールスターの3ポイントシュートコンテストに出場したのは、リーグとの何気ない会話がきっかけだった。リラードはその内容をこう明かす。
「普段から連絡を取り合っている友人と、この休暇の予定について話していたんだ。そこで僕は『もしシューターが必要なら声を掛けてくれ』と何気なく言った。毎日、誰もいない体育館で練習しているから、気持ちの張りが欲しかったのかもしれない。彼の返事は『最高だね。でも枠があるかな』だった」
かくしてリラードはNBAオールスターの舞台に立った。コンテスト前の会見で彼は、これまでのキャリアで得た学びについて「自分のレースを走ること」と答えている。
「自分自身に集中する。何が起きようとも『なぜ僕がこんな目に』なんて被害者の目線では見ない。アキレス腱断裂も解雇も想定外だったけど、キャリアの大半を過ごしたチームに戻り、家族と一緒に安定した暮らしができるというポジティブな面に目を向けるんだ。そうやってリハビリに集中し、こうしてまた観客の前に立つ機会を得られた。誰が何をしていようが関係なく、僕は僕としてこの舞台に立つ」
こうして迎えた3ポイントシュートコンテスト。決勝に進んだのはホーネッツのルーキー、コン・クヌッペルとサンズでキャリアの最盛期を迎えたデビン・ブッカー、そして大ベテランのリラードだった。決勝の2番手で登場したリラードは、5つのレーンから各5本とロゴからの2本の全27本のうち20本を決めた。続くブッカーも快調にポイントを伸ばすが、最後の3本を連続で失敗。こうしてリラードが優勝した。
リラードは35歳になり、アキレス腱断裂から10カ月プレーしていないが、そのシュートスキルと勝負度胸は健在だった。優勝が決まって表彰式に向かう際、彼は左手首の空想の時計を指さす『デイム・タイム』のパフォーマンスを久しぶりに披露し、観客を沸かせた。
トロフィーを手にした彼は「試合に出ていない僕をリーグが招いてくれたことに感謝したい」と喜びと感謝を語る。「コンテストに参加して、多少なりとも真剣勝負のプレッシャーを感じられたこと、再びファンの前に立てたことは本当に素晴らしい経験だ。与えられたチャンスを最大限に生かしたよ」
「最初からコンとブック(ブッカー)との争いになると予感していた。厳しい戦いなのは間違いなかったけど、シューターとしての自分の直感を信じて打つだけだった。誰かが絶好調だったり、観客の声が聞こえたり、あるいは客席に誰かの姿を見付けても動揺してはいけない。ただ自分のシュートを打つ、それを実行した」
ブレイザーズは2年ぶりに『チームの顔』に復帰したリラードが戦力になっていないにもかかわらず、激戦の西カンファレンスで27勝29敗の9位とプレーオフ戦線に食らい付いている。復帰の目処は立っていないが、セルティックスのジェイソン・テイタムと励まし合いながら続けているというリハビリは「最終段階にある。2人ともゴールが見えてきた感じ」だという。
リラードにとって今回の3ポイントシュートコンテストは、ただ雰囲気を楽しむためのものではなく、復帰に向けたステップの一つなのだろう。
「解雇された後、どのチームにも行ける状況で僕はブレイザーズを選んだ。ずっとこのチームで優勝したいと思っていたし、僕がいれば優勝を狙えるポジションにいると信じている」
これはコンテスト前の会見で語られた言葉だが、3度目の3ポイントシュートコンテスト優勝で、彼の自信はさらに強くなったに違いない。