
スパーズに感謝「最初の日から僕を抱きしめてくれた」
ジェレミー・ソーハンは2022年の1巡目9位指名でスパーズに加入し、最初の2シーズンはレギュラーとして過ごした。1年遅れて『超大物ルーキー』のビクター・ウェンバニャマが加わり、その1年目はフロントコートでコンビを組んだが、共存は長く続かなかった。ソーハンのハンドラー起用という挑戦的な試みは成果が出ず、再建中だったスパーズが強くなるにつれて彼の居場所はなくなっていく。
ソーハンにとって4年目の今シーズン、経験豊富なルーク・コーネットの獲得とルーキーのカーター・ブライアントの台頭により、ソーハンの出場機会は激減した。シーズン序盤こそローテーションに入っていたが、開幕から1カ月もするとプレータイムが減り始め、今年に入ってからは7試合出場のみ。スパーズはトレードを模索するも成立せず、トレードデッドラインが過ぎると解雇を決めた。
スパーズを率いるミッチ・ジョンソンは「彼がプレータイムを望んでいることは、我々全員が理解していた。彼に対する正しい対応は、シーズンが終わる前にその機会を与えることだった」と、この判断を説明している。
そしてソーハンは、SNSを通じてサンアントニオのファンに別れのメッセージを送った。「サンアントニオへ、僕がドラフトされた時、どれだけ早く我が家だと感じられるかは分からなかった。僕は人生を通して何度も引っ越してきたけど、15歳以降で一番長く同じ場所にいることになった。良いことも悪いこともある中で多くを学び、成長し続け、自分に忠実だった。このコミュニティとファンは最初の日から僕を抱きしめてくれた。それはバスケより重要で、永遠に感謝している」
それでも、ソーハンに価値がないわけではない。ウェンバニャマとの相性がベストとは言えず、新契約を与えることにスパーズが躊躇しただけで(逆にジュリアン・シャンペニーとは延長契約を結ぶだろう)、強靭なフィジカルと俊敏な動きを兼ね備えたフォワードとして、特に様々なディフェンスをこなせる点は評価できる。
そのソーハンがフリーエージェントになると、すぐにニックスが獲得に動いた。『ESPN』はソーハンのエージェントからの情報として、ウェーバー期間が終わるとともにニックスとベテラン最低保証額で今シーズン終了までの契約を結ぶという。ソーハンはオールスターブレイク明けの現地2月19日のピストンズ戦からニックスの一員としてプレーできる。
もっとも、ニックスの主力が揃って健康であれば、ソーハンの願うようなプレータイムは得られないだろう。ニックスはトレードデッドラインでガーション・ヤブセレを放出。ソーハンはヤブセレに代わる控えフォワードとなるが、ヤブセレのプレータイムは8.9分しかなかった。ニックスのフォワードはOG・アヌノビーとジョシュ・ハートで、チーム内で絶対的な信頼を得ている。フロントコートの控えであるミッチェル・ロビンソンも同様だ。
ただし、NBAでの『主力が揃って健康』は超レアだ。センターのカール・アンソニー・タウンズも含めて、プレーオフまで『主力が揃って健康』を保つためにも、守備でオールラウンドな働きのできるソーハンの使いどころは多くなりそうだ。
契約満了を控えるソーハンにとっては、自身のキャリアを再定義する機会。ニックスにとっては選手層を厚くする、願ってもない補強となった。