パスが渡ったらアンストッパブル
2019年のドラフト全体1位ルーキーのザイオン・ウィリアムソンが、膝の負傷によりサマーリーグ 残り試合を欠場することが決まった中、セルティックスのドラフト外ルーキー、タッコ・フォールが話題になっている。
今年のドラフトでどのチームからも指名されなかったフォールの最大の特徴は、身長228.6cm、ウィングスパン249cmという規格外のサイズ。ひとたび彼にボールを預ければ、対戦相手のチームは容易にボールを奪い取ることができない。ターンオーバーになってしまいそうなバッドパスでも手が届き、周りの選手より頭二つ分は上背のある彼のフックショットは、ブロックが不可能な必殺技。さらに、ペイント内で彼と対峙するとフープが視界から消えるなど、攻守両面でその存在感は際立っている。
フォールは、7月8日のキャバリアーズ戦にベンチから11分50秒出場し、フィールドゴール5本中5本を決めて12得点2リバウンド1アシストを記録し、89-72での勝利に貢献。その前のセブンティシクサーズ戦でも、彼はフィールドゴール4本中3本を成功させるなど、サイズのアドバンテージを生かしている。ただ身体が大きいだけではなく機動力もあり、彼がボールを掴むたびにスタンドからは歓声が上がった。
キャブズ戦後にインタビューを受けたフォールは、観客からの声援について「ありがたいね。みんなからの声がうれしかった」と笑顔でコメント。悔しい思いをしたドラフト当日について聞かれると、「指名されなかったけれど、こうして機会をもらえて、NBAレベルでもやれることを証明しようと思っている」と答えた。
サイズ以外に周りに知ってもらいたいことについては、「自分は動ける選手ということを知って欲しい。走れるし、なんだってできる。それを証明したい」とアピールした。
フォールは、セルティックスと『Exhibit 10』という条項がついた1年契約を結んだ。この契約は保証されたものではなく、球団は同契約下にある選手を解雇、もしくはレギュラーシーズン開幕
までに2ウェイ契約に切り替えることができる。もし解雇されても、提携先のGリーグチームに所属が可能になる、というもの。
フォールがチャンスを生かし、NBAデビューに向けた次の段階に進めるかどうか。また一人、楽しみな選手が現れた。